『異世界転生したので本物のくっころが見たい!①』感想|題材は尖ってるのに意外と読みやすい女騎士ラブコメ
『異世界転生したので本物のくっころが見たい!① ~悪役を演じているのに、なぜか女騎士たちがみんな俺に落ちていた~』を読みました。
“くっころ”というかなり尖った題材を扱っている作品ですが、実際に読んでみると、悪役ものとしてもラブコメとしてもかなりマイルドで入りやすい1冊でした。
主人公は悪役を演じているつもりなのに、実際にはかなり善人寄りで、不快感の少ないまま勘違いラブコメとして楽しめるのが特徴です。
ネタバレは控えめに、購入判断の材料になるよう「合う/合わない」も含めてまとめます。
結論:この本は「買い」か?
結論:買い寄り。総合評価は
題材だけを見るとかなり人を選びそうですが、実際の読み味はかなり軽く、悪役ものとしてもラブコメとしても意外なくらい入りやすかったです。
女騎士ヒロインとの距離感や、悪役ムーブのつもりが逆に好感度を上げていく勘違い構図もわかりやすく、気楽に楽しめました。
一方で、“くっころ”という前提そのものに乗れるかどうかで印象はかなり変わりそうです。
また、本格的な悪役主人公ものを期待すると、実際にはかなり善人寄りなので少し違って見えるかもしれません。
気になった方は、まずは試し読みで雰囲気を確認してみてください。
作品情報
タイトル:異世界転生したので本物のくっころが見たい!① ~悪役を演じているのに、なぜか女騎士たちがみんな俺に落ちていた~
著者:砂乃一希
イラスト:羽依
出版社:オーバーラップ文庫
公式あらすじ(要点)
「くっころ」という、敗北した女騎士の気高さや矜持がにじむシチュエーションをこよなく愛する主人公・宇佐美駿。
彼は剣が主流の異世界に、侯爵家の長男ジェラルト=ドレイクとして転生します。
そんな彼が異世界で思い描いた願いは、ただひとつ。
本物の“くっころ”をこの目で見たいということでした。
その理想を実現するために、ジェラルトがたどり着いた答えは、自ら悪役を演じ、成敗しにきた女騎士を打ち負かす立場になること。
そのために鍛錬を積み、誰にも負けない力を手に入れて士官学校へ入学します。
思う存分悪役を演じ、女騎士たちを標的にしていくはずだったジェラルト。
しかし、なぜか彼女たちから向けられるのは軽蔑ではなく、熱を帯びた視線で――。
悪役のつもりが好感度だけを上げてしまう、勘違い系の異世界ラブコメです。
あらすじ
主人公は“くっころ”というシチュエーションに強いこだわりを持つ人物で、異世界に転生したあとも、その理想を本気で追いかけます。
転生先は侯爵家の長男ジェラルト=ドレイク。剣が主流の世界で、女騎士が活躍する環境も整っており、主人公にとってはまさに願望を実現できそうな舞台でした。
彼が考えた方法は、自分が悪役となり、成敗しにきた女騎士を打ち負かすこと。
その理想の場面を見たい一心で鍛錬を積み、士官学校へ入ったジェラルトは、悪役らしく振る舞いながら女騎士たちに絡んでいきます。
ただし、実際のジェラルトは本当に非道なことをするタイプではなく、かなり善人寄りです。
悪役なのはあくまで噂や立ち回りの部分が大きく、読んでいて不快になるような行動はあまりありません。
そのため、悪役ものという題材のわりにはかなり読みやすく、主人公がどうやってヒロインを“くっころ”の状況に持ち込もうと試行錯誤するのかを楽しむ1冊になっています。
向いてる人/向いてない人
向いてる人
・勘違い系の悪役ラブコメが好きな人
・悪役ものは好きだけど、本当にひどい主人公は苦手な人
・女騎士ヒロインが好きな人
・変わったこだわりを持つ主人公の試行錯誤を楽しみたい人
向いてない人
・「くっころ」という題材やノリに乗れない人
・本格的な悪役主人公ものを期待している人
・フェチ寄りの前提が苦手な人
ここまで読んで「自分に合いそう」と思った方は、こちらからどうぞ。
詳細評価(5段階)
主人公:
題材はかなり尖っているのに、実際の主人公はかなり善人寄りで読みやすかったです。
悪役を演じているつもりでも、本当に非道なことをしているわけではないので、不快感が少なく見やすい主人公でした。
ヒロイン:
表紙にもいるシンシアを中心に、女騎士ヒロインたちの存在感はしっかりあります。
主人公がどうにか“くっころ”の状況に持っていこうとする流れもあって、ラブコメとしての見せ方はわかりやすかったです。
シナリオ:
悪役ムーブと勘違いラブコメの組み合わせが噛み合っていて、設定のバカっぽさを勢いで押し切るタイプの面白さがありました。
特殊な題材ながら、実際に読むと意外と素直に楽しみやすいです。
気楽さ:
深く考えすぎずに読めるタイプで、かなり気楽に楽しめました。
題材こそ特殊ですが、読み味は軽く、悪役ものとしてもラブコメとしても重たすぎないのが強みです。
後味:
読後感は悪くなく、ラブコメとして続きが気になる終わり方でした。
強い衝撃よりも、「このノリで次はどう転がすのか」が気になるタイプの後味です。
長さ:
テンポよく読めて、ボリューム感もちょうどよかったです。
設定説明に寄りすぎず、ラブコメとしてサクッと読みやすい長さでした。
良かった点
本作でよかったのは、題材の尖り方に対して、実際の読み味がかなりマイルドで、悪役ものとしてもラブコメとしても入りやすかったことです。
主人公は“くっころ”を見たいというかなり特殊な目的で動いていますが、実際には本当に非道なことをするタイプではなく、悪役らしく振る舞っているつもりでもかなり善人寄りです。
そのため、悪役ものにありがちな強い不快感が少なく、設定のわりにかなり読みやすい印象がありました。
また、ヒロインをどうやって“くっころ”の状況に持っていこうとするかという試行錯誤が、この作品ならではの面白さになっていたのもよかったです。
主人公のこだわりはかなり変わっていますが、それがそのままラブコメの流れや勘違い構図につながっていくので、バカっぽい設定を勢いで押し切るタイプの楽しさがありました。
表紙にもいるシンシアを中心に、女騎士ヒロインとの距離感も見やすく、ラブコメとしてしっかり成立していたと思います。
気になった点
一方で気になったのは、そもそもの題材や主人公の目的がかなり特殊なので、そこに乗れないと入り込みづらいことです。
“くっころ”という前提そのものが作品の核になっているので、このノリをギャグやフェチ寄りの題材として受け入れられるかどうかで、かなり印象は変わりそうです。
また、悪役転生ものとして見るとかなりマイルドなので、本格的な悪役主人公ものを期待すると少し違うかもしれません。
主人公は悪役を演じているつもりでも、実際にはかなり善人寄りで、不快な行動はほとんどありません。
そのため、ダークさや本当に外道な悪役ムーブを期待して読むと、思ったよりも軽く感じる可能性があります。
実際に読んで感じたこと
読んでいて感じたのは、題材はかなり尖っているのに、実際の中身は意外なくらい読みやすいラブコメになっているということです。
“くっころを見たい”という主人公の目的だけを見るとかなり人を選びそうなのですが、作品全体のノリはそこまで重くも暗くもなく、悪役ものとしてもかなりマイルドでした。
特に主人公が、悪役を演じているつもりでも実際にはかなり善人寄りなのが大きかったです。
本当にひどいことをするわけではなく、悪役なのはあくまで立ち回りや噂の部分が中心なので、読みながら不快になりにくいです。
そのおかげで、悪役ものに少し抵抗がある人でも入りやすい作品になっていると感じました。
また、主人公がどうやってヒロインを“くっころ”の状況に持っていこうとするのか、その試行錯誤がちゃんとラブコメとして機能しているのもよかったです。
かなり変わったこだわりではあるのですが、それが勘違いや好感度上昇につながっていくので、設定のバカっぽさを勢いで楽しめるタイプの面白さがありました。
一方で、やはりこの作品はそもそもの題材に乗れるかどうかで評価が分かれやすいとも感じました。
“くっころ”という前提を面白がれる人にはかなり読みやすい一冊ですが、そこに引っかかると最初の時点で合わない可能性はあります。
また、本格的な悪役主人公ものを期待するとかなりマイルドなので、そこは少し印象が違うかもしれません。
それでも全体としては、尖った題材を扱いながらも、女騎士ヒロインとのラブコメとして気楽に読める1巻でした。
変わった設定のラブコメを軽めに楽しみたい人には、かなり相性がいい作品だと思います。
まとめ
・結論:買い寄り/総合評価:
・題材はかなり特殊だが、実際の読み味はかなりマイルドで入りやすい
・主人公は悪役を演じているつもりでも、かなり善人寄りで不快感が少ない
・女騎士ヒロインとの勘違いラブコメとして気楽に楽しめる
・「くっころ」という題材に乗れるかどうかで好みは分かれそう
『異世界転生したので本物のくっころが見たい!①』は、題材は尖ってるのに意外と読みやすい女騎士ラブコメでした。
悪役ムーブなのに好感度が上がっていく勘違い構図もわかりやすく、女騎士ヒロインとのやり取りを軽めに楽しみたい人にはかなり合いやすいと思います。
本格的な悪役主人公ものとは少し違いますが、そのぶん不快感はかなり抑えられていて、悪役ものに抵抗がある人でも入りやすい1冊です。
変わった設定のラブコメを気楽に読みたい人にはおすすめしやすい作品でした。

