『陰の実力者になりたくて! 07』感想|エルフの国で王位継承戦が動く、続きが気になる第7巻
『陰の実力者になりたくて! 07』を読みました。
今回はアルファの故郷であるエルフの国が舞台になっていて、王位継承戦を中心に物語が大きく動く巻でした。
各勢力の思惑が交錯する中で、シドは今回もいつも通りズレた方向から“陰の実力者”をやり始めるのですが、それがしっかり面白いです。
ネタバレは控えめに、購入判断の材料になるよう「合う/合わない」も含めてまとめます。
結論:この本は「買い」か?
結論:買い寄り。総合評価は
エルフの国の王位継承戦という舞台設定がかなり映えていて、今回もシドのロールプレイがしっかり面白かったです。
“師匠ポジション”という新しい遊び方も含めて、このシリーズらしいズレた面白さがよく出ていました。
一方で、今回はかなり前後編の前半のような構成で、この巻だけでは物語がきれいに完結しません。
内容そのものはかなり面白いのですが、読後は「満足して終わる」よりも「早く続きを読みたい」が強く残る巻でした。
気になった方は、まずは試し読みで雰囲気を確認してみてください。
作品情報
タイトル:陰の実力者になりたくて! 07
著者:逢沢大介
イラスト:東西
出版社:新文芸(KADOKAWA)
公式あらすじ(要点)
『シャドウガーデン』七陰の第一席・アルファの故郷であるエルフの国で、王の急死をきっかけに次代の王を決める王位継承戦が始まります。
剣聖ベアトリクスをはじめとした強者たちが集まり、国内では三大派閥がそれぞれの思惑を抱えて動き出していきます。
その裏にディアボロス教団の影を感じ取ったアルファは、偽りの身分で自ら王位継承戦の渦中へ。
一方のシドは、そんな深い事情などどこ吹く風で、エルフの少女に弟子入りを志願され、“師匠ポジション”という新たな『陰の実力者』ロールプレイに突入します。
様々な勢力が入り乱れる王位継承戦の中で、シドとシャドウガーデンがそれぞれの立場から動いていく第7巻です。
あらすじ
今回は舞台をエルフの国に移し、王位継承戦を中心に物語が大きく動いていきます。
アルファの故郷を舞台に、複数の派閥や強者たちが思惑を抱えながら王位継承戦に参加し、シリーズらしい“裏で大きなことが動いている”空気がかなり強い巻です。
その中でシドは、いつも通り本質とは少しズレたところでロールプレイを始めます。
今回は“師匠ポジション”という新たな設定に乗り、エルフの少女ララノアとともに暗躍していくことに。
誰かが妄想しそうな設定を本気でやりきるのが、今回もこの作品らしい面白さでした。
一方でシャドウガーデン陣営も当然動いているのですが、シドの正体には気づけないため、結果的にぶつかる流れも出てきます。
王位継承戦、各勢力の思惑、シドの勘違いロールプレイが一気に重なり、かなり展開の激しい第7巻になっています。
ただ、今回は前後編の前半のような印象も強く、この巻だけではきれいに完結しません。
そのぶん続きはかなり気になる構成です。
向いてる人/向いてない人
向いてる人
・シリーズをここまで追っている人
・複数勢力が入り乱れる王位継承戦が好きな人
・シドのロールプレイを楽しみにしている人
・ララノア中心の巻を読みたい人
向いてない人
・この巻だけで話をきれいに完結してほしい人
・途中巻から入りたい人
・単巻でのまとまりを重視する人
ここまで読んで「自分に合いそう」と思った方は、こちらからどうぞ。
詳細評価(5段階)
主人公:
今回もシドのズレたロールプレイはかなり面白く、“師匠ポジション”という新しい遊び方でもしっかり魅力が出ていました。
深刻な情勢の中でも自分の理想の陰の実力者像を貫くので、このシリーズらしい主人公の強さは健在です。
ヒロイン:
今巻メインのララノアはしっかり存在感があり、これまでのヒロインとはまた違う立ち位置で楽しめました。
シリーズ全体のヒロイン層の厚さも活きていますが、今回はやはりララノア中心で見るのが自然です。
シナリオ:
エルフの国の王位継承戦という舞台設定が映えていて、派閥や強者たちの思惑が交錯する流れはかなり見ごたえがありました。
展開も激しく、シリーズらしいカオスさがよく出ていた一方で、今回は前後編の前半のような印象も強いです。
気楽さ:
話自体は大きく動いていますが、シドのロールプレイがあることで重くなりすぎず、いつものノリで楽しみやすかったです。
王位継承戦というシリアスな土台がありつつも、シリーズらしい軽さはしっかり残っていました。
後味:
面白かったのは間違いないのですが、今回は話が途中で切れている印象が強く、読後は満足感よりも「早く続きが読みたい」が先に来ました。
単巻でのまとまりより、次巻への引きが強いタイプの後味です。
長さ:
内容はかなり動いていますが、テンポは悪くなく読みやすかったです。
情報量や展開の多さに対して、そこまで重たく感じずに進められました。
良かった点
本作でよかったのは、エルフの国の王位継承戦という舞台の中で、シドの“陰の実力者”ロールプレイが今回もきっちり面白く機能していたことです。
各派閥や強者たちがそれぞれの思惑を持って動く、いかにも大きなイベントらしい状況の中で、シドだけがいつも通り少しズレた方向から入り込み、“師匠ポジション”という新しい遊び方まで始めるのがこのシリーズらしくてよかったです。誰かが妄想しそうな設定を本気でやり切る面白さは今回も健在で、重くなりそうな展開でもしっかりこの作品らしいノリが保たれていました。
また、今巻メインのララノアを含めて、ヒロインとのやり取りや各勢力の動きがしっかり盛り上がっていたこともよかったです。
王位継承戦という大きな舞台があることで、ラブコメだけでなく物語全体もかなり大きく動いており、展開の激しさも見どころでした。シャドウガーデン陣営も当然参加しているのに、シドの正体には気づけないため結果的にぶつかってしまう流れなど、シリーズらしいズレた噛み合い方も楽しめた巻だったと思います。
気になった点
一方で気になったのは、今回はかなり前後編の前半のような構成になっていて、この巻だけでは話がきれいに完結しないことです。
内容自体は面白く、王位継承戦や各勢力の思惑もかなり盛り上がっているのですが、そのぶん「ここで終わるのか」という感覚は強く、読後の満足感よりも「早く続きが読みたい」が先に来やすい巻でした。
もちろん続刊が気になる終わり方をするのは悪いことではないのですが、単巻として見た時には少し物足りなさも残ります。
そのため、シリーズを追いかけている人なら楽しめる一方で、今回だけで区切りのよさを求める人にはやや不満が残るかもしれません。
実際に読んで感じたこと
読んでいて感じたのは、今回はエルフの国という舞台と王位継承戦の設定がかなり映えていて、その中でシドがいつも通り好き勝手にロールプレイしているのがとても面白かったということです。
各勢力がそれぞれの思惑を持って動く大きな舞台なのに、シドだけは“師匠ポジション”という新しい陰の実力者ごっこに全力なのが、このシリーズらしさそのものでした。重くなりそうな展開でも、シドが入ることでちゃんと『陰実』らしいノリに戻してくれるのがよかったです。
また、今回は今巻のヒロインであるララノアも含めて、エルフの国ならではの雰囲気や人物関係がしっかり出ていて、ラブコメ面でも見どころがありました。
王位継承戦という大きなイベントの中で、派閥や強者たちが動き、シャドウガーデン側も絡んでくるので、物語全体としての盛り上がりもかなり強かったです。展開が激しいのに、シドの正体を周囲が把握できていないせいでズレた形で噛み合っていくのも、この作品ならではの面白さだと感じました。
一方で、やはり気になったのは今回はかなり途中で切れた印象が強いことです。
内容そのものはかなり面白かったのですが、読後は「満足して終わる」というより「早く次を読ませてほしい」が強く残りました。単巻としてのまとまりよりも、次巻への引きを優先した構成に見えたので、そのぶん少し物足りなさもありました。
それでも全体としては、シリーズらしい面白さをしっかり保ちながら、新しい舞台とロールプレイで盛り上げてくれた第7巻だったと思います。
ここまで追っている人なら、今回もかなり楽しめる巻ですし、次巻への期待もしっかり高まる内容でした。
まとめ
・結論:買い寄り/総合評価:
・エルフの国の王位継承戦という舞台設定がかなり映える
・シドの“師匠ポジション”ロールプレイが今回も面白い
・ララノアを中心にヒロインとのやり取りも見どころ
・今回はかなり前後編の前半のような構成で、続き待ち感が強い
『陰の実力者になりたくて! 07』は、エルフの国で王位継承戦が動く、続きが気になる第7巻でした。
各勢力が思惑を抱えて動く大きな舞台の中でも、シドがいつも通りズレた方向からロールプレイを始めるので、このシリーズらしい面白さは今回もしっかり健在です。
一方で、今回はこの巻だけで物語がきれいに完結するわけではなく、かなり続刊ありきの構成でした。
そのぶん読後の満足感よりも「早く次を読みたい」が強く残りますが、シリーズを追っている人なら十分楽しめる内容だと思います。

