『なぜかS級美女達の話題に俺があがる件』感想レビュー|正体バレ×誤解ラブコメが楽しい!
総合評価:

※画像はKADOKAWA様公式サイトより引用
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作品情報
タイトル:なぜかS級美女達の話題に俺があがる件
著者:脇岡こなつ
イラスト:magako
出版社:KADOKAWA(角川スニーカー文庫)
あらすじ
目立たず静かに高校生活を送りたい男子高校生・赤崎晴也。
髪型や眼鏡であえて地味な雰囲気を作り、存在感を消して過ごしていたが――
ある休日、趣味の本を買いに出かけた彼は、ナンパに絡まれていた少女を思わず助けてしまう。
その少女こそ、学校で「S級美女」と呼ばれる憧れの存在だった!
普段の地味な姿とはまったく違う服装だったため、正体はバレないと思っていた晴也だが……
静かだった日常は一転、なぜか美女たちの話題の中心に!?
詳細評価(5段階)
主人公:
目立ちたくないのに困っている人は放っておけない、根は優しい系男子。
自分の評価に無自覚で、助けたことを美化されたまま話が広がっていくのが面白く、共感しやすい立ち位置のキャラでした。
ヒロイン:
S級美女たちという設定ながら、単なる美人ではなく性格も個性的で好感が持てる構成。
序盤からヒロインたちとの距離感が近く、テンポよく関係が進展するのも魅力です。
シナリオ:
構成自体は王道の「勘違い系ラブコメ」だが、テンポの良さとヒロインたちの反応のギャップで飽きさせない展開。
学校内とプライベートの二面性をうまく使っていて、人物の描き分けも丁寧でした。
気楽さ:
事件や重い展開はほとんどなく、会話中心でテンポも軽快。
読者にストレスを与えない作風で、隙間時間に読むのにちょうどいいライトさです。
後味:
読後はにやにやできる心地よさ。大きな事件がなくともヒロインとの距離の変化や誤解の連鎖が続き、ページをめくる楽しさがある。
続刊への期待もしっかり残してくれる終わり方でした。
長さ:
描写がくどくなく、テンポ重視で読みやすい。
1巻としては情報の詰まりすぎもなく、ラブコメの導入編としてちょうどよい長さでした。
よかった点
展開自体は王道的な出会いながら、助けられたヒロインが「運命の人」を探そうとする一方で、正体を隠したい主人公との駆け引きが非常に面白く、自然と引き込まれました。
目立ちたくないという気持ちが根底にある中でも、ヒロインの悩みには真摯に向き合おうとする主人公の姿勢が好印象で、誤解と真剣さが絶妙に混ざった展開が魅力的な作品でした。
気になった点
テンポ重視で物語が進むぶん、背景やキャラクターの掘り下げがやや浅く感じられる部分もありました。
また、主人公の地味な設定や見た目の違いによる“正体バレない問題”は少しご都合主義的に映るところもあり、人によっては「そこはバレるでしょ」と感じるかもしれません。
とはいえ、ラブコメの軽快さを楽しむうえでは大きな障害にはならず、気軽に読むには十分な内容でした。
実際に読んで感じたこと
この本は、まず表紙イラストに惹かれて手に取りました。
正直、タイトルの印象で少し迷いましたが、実際に読んでみたら想像以上に楽しめて、読後の満足感がありました。
1巻ということもあり導入要素が多めで、特に最初に登場するヒロインはとても魅力的だっただけに、もう少し掘り下げてほしかった気持ちも。
2巻以降で彼女がどう行動していくのか、引き続き楽しみにしたいと思える作品でした。
まとめ
地味に生きたい主人公が、思わぬ形でS級美女に注目されてしまうという王道ラブコメながら、誤解の連鎖や駆け引きがテンポよく描かれ、読みやすく楽しめる一冊でした。
ヒロインの魅力もしっかり伝わってきて、今後の続刊での関係の変化にも期待が持てます。
軽めのラブコメが好きな方や、会話劇中心で気楽に読みたい人におすすめの作品です。
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