乙女ゲー世界でモブが大逆転!痛快転生ファンタジー『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』
総合評価

※画像はGCノベルズ様より引用
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作品情報
タイトル:乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 1
著者:三嶋与夢
イラスト:孟達(モンダ)
出版社:GCノベルズ(マイクロマガジン社)
あらすじ
前世でプレイしていた“女性優位”な乙女ゲームの世界に、モブキャラとして転生してしまった主人公・リオン。男にとって生きづらい構造のこの世界で、彼はゲーム知識を活かして強く生き抜く決意を固める。
攻略対象キャラやヒロインたちが動き出す前に、前世で得た情報をもとにレアアイテムや戦力をかき集め、モブながらに下剋上を狙うリオン。
「自分の人生は自分で守る!」を信条に、理不尽すぎる世界を知略と力で渡り歩く、異色の異世界転生ストーリー。
詳細評価(5段階)
主人公:
乙女ゲーの世界に転生し、自分が“モブ”であることを受け入れながらも、前世の知識と努力で生き抜くリオン。
ひねくれているようで仲間思いな一面があり、理不尽に抗う姿は痛快。
ただし、口が悪く言い過ぎな場面が目立ち、他人の気持ちを顧みない言動も見受けられる点がややマイナス。
ヒロイン:
ゲームの正規ヒロインに加え、物語の軸となるオリヴィアとアンジェリカが登場。
ツンデレ気質のアンジェリカと、素直なオリヴィアの対比がよく、今後の三角関係に期待が高まる。
1巻時点では“ゲーム内キャラ”としての描写にとどまる部分もあり、今後の掘り下げに期待。
シナリオ:
モブキャラの立場から、ゲームの世界で生き延びようとする逆転劇が魅力。
理不尽な学園制度に抗う展開や、終盤の決闘イベントの盛り上がりもよく、テンポも良好。
SF要素とファンタジーの融合も特徴的で、独自性がある。
気楽さ:
男女格差や階級制度など、重ための設定が物語に影を落とすが、リオンの毒舌が緩和材となって読みやすさはある。
ストレスを感じる場面もあるため、完全な気楽枠ではないが、バランスは取れている。
後味:
理不尽な環境に抗い、状況を打開していく展開にカタルシスがあり、読後感は爽快。
続巻への導入もうまく、物語の流れがしっかりしている。
長さ:
設定説明や専門用語が多く、序盤は読みづらさがあるかもしれないが、慣れてしまえばスムーズに読める構成。
ボリューム感も1巻としては標準的。
良かった点
ヒロインたちがそれぞれ異なる個性を持ち、魅力的に描かれているのが印象的でした。
素直で天然なオリヴィア、気高く芯のあるアンジェリカといった対照的なキャラ同士の関係性が物語に幅を与えています。
また、理不尽な世界構造や階級制度の中で、主人公リオンが“モブ”としての立場に甘んじず、ゲームの知識を駆使して状況を打破していく姿はとても爽快でした。
「下からの逆襲」という構図がしっかりしており、読者にカタルシスを与えてくれます。
気になった点
主人公・リオンの性格は一癖あり、他人への皮肉や辛辣な言動が目立ちます。
正義感で突き進むタイプではなく、自分の都合や打算で動く場面も多いため、王道な“ヒーロー像”を期待して読むとギャップを感じるかもしれません。
とはいえ、そのひねくれた性格がこの作品の味でもあり、「悪役っぽい主人公」や「ダークヒーロー」が好みの読者には刺さるキャラクターでもあります。
実際に読んで感じたこと
転生もの+乙女ゲーという定番の設定ながら、「モブに厳しい世界」というテーマが新鮮で、一気に読んでしまいました。
主人公・リオンの毒舌や斜に構えた態度には最初こそ違和感がありましたが、読み進めるうちにそれがこの作品独自のテンポとユーモアになっていると感じました。
特にラストの決闘シーンは読み応えがあり、やり込んだゲーム知識と成長の成果が見えてスカッとする展開。
ヒロインたちとの関係性もまだ序盤という印象でしたが、次巻以降でどう深まっていくかが非常に楽しみです。
まとめ
乙女ゲームの“モブ”に転生しながら、前世の知識と努力で成り上がっていく痛快ストーリー。
理不尽な世界観の中で、主人公が毒舌と実力でのし上がっていく姿に、読んでいてスカッとする瞬間が多くありました。
ヒロインたちとの関係や学園内での立場など、ラブコメ要素と政治劇的な駆け引きもあり、今後の展開にも期待が膨らみます。
“ちょっとひねくれた”転生ファンタジーを読みたい方におすすめの一冊です。
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