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悪役貴族が開き直って破滅フラグを実力で回避!勘違い英雄譚【感想・レビュー】

千代瀬

総合評価

※画像はスクウェア・エニックス様より引用

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作品情報

タイトル:悪役貴族が開き直って破滅フラグを”実力”で叩き折っていたら、いつの間にかヒロイン達から英雄視されるようになった件 1
著者:楓原こうた
イラスト:ファルまろ
出版社:スクウェア・エニックス

あらすじ

気づけばゲーム世界の悪役・イクスに転生していた主人公。
しかし、すでに悪評は広まり、いまさら更生したところで破滅回避は手遅れの状況だった。

ならば——誰よりも強くなればいい。
そうすれば誰も手出しできず、もし刃向かってきても返り討ちにできる。

イクスはそう決意し、ひたすら鍛錬を積み重ねた。
そして迎えた物語本編、ヒロインたちの前でその実力を見せつけに行くのだが……。
お人好しすぎる性格が災い(?)し、彼女たちのピンチを救いまくった結果、なぜか英雄と呼ばれ懐かれることに──。

詳細評価(5段階)

  • 主人公
    「こいつは強いから手を出さないほうがいい」と思わせるためにヒロインたちへ実力を見せるも、逆に注目を集めてしまい、悪評とのギャップから一気に好感度を高めてしまうのが笑える。
    本人は悪役を自覚して悪ぶろうとするが、根が優しいため結果的に英雄ムーブになってしまう姿が魅力的。
  • ヒロイン
    貴族令嬢、聖女など立場も個性も異なるヒロインたちが登場。
    イクスに対する勘違いと憧れが物語をコミカルに盛り上げる。
    どのキャラも思い込みが強く、癖があり、それぞれに魅力がある。
  • シナリオ
    破滅フラグ回避系に実力至上主義を組み合わせた展開は新鮮。
    バトル・救出・日常がテンポよく進み、読みやすい構成。
    戦闘シーンでは日常の情けない姿が消え、戦い方はまさに英雄でカッコ良い。
  • 気楽さ
    明るい雰囲気が多い一方で、戦闘描写や緊張感ある場面もあり、完全なほのぼのではない。
    主人公の強さが圧倒的無双ではない分、ハラハラした戦いが楽しめる。
  • 後味
    この一冊で事件は一区切りつき、敵役やヒロインのその後も描かれているため後味は良い。
    次巻への引きも自然で、続きが気になる構成。
  • 長さ
    バトルと日常のバランスが良く、間延びせずに最後まで楽しめる分量。
    個人的には、もう少し日常パートを増やしてほしい。

良かった点

他の破滅フラグ回避作品では、善行を重ねて評価を変える展開が多い中、本作は「悪役のまま力でわからせる」という新鮮なアプローチが光っている。
さらに、悪役ムーブをしようとしても根が善人のため結果的に英雄扱いされてしまうという、ギャップのある構図が魅力的。
また、主人公が実際に修行を積み重ねるシーンが描かれているのも好印象で、説得力のある“強さ”に繋がっている。

気になった点

大きな不満はないが、序盤から複数のヒロインが登場するため、それぞれにしっかりとしたエピソードが用意されているのかが気になる。
今後、全員が物語にどう関わっていくのか、掘り下げに期待したい。

実際に読んで感じたこと

表紙の時点では、主人公の見た目があまり好みではなく購入を迷っていたが、実際に読んでみると努力家で行動力があり、信念もきちんと持った理想的な主人公だった。
結果的に「もっと早く読めばよかった」と思える作品。
実力を見せつけることで本来のシナリオから大きく逸れていく展開が面白く、今後どのような物語になるのか非常に気になる。

まとめ

「破滅フラグ回避×実力至上主義」という新鮮な切り口で描かれる勘違い英雄譚。
悪役として振る舞おうとしつつも根が善人のため、周囲からは英雄扱いされてしまう主人公・イクスのギャップが魅力的。
鍛錬による裏付けのある強さや、ヒロインたちとの掛け合いも楽しく、テンポ良く読み進められる一冊。

破滅フラグものが好きな人はもちろん、主人公が努力で力を手に入れる物語が好きな人にもおすすめ。
続巻では、複数登場するヒロインたちの物語がどのように掘り下げられるのかにも期待したい。

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