陰キャだった俺の青春リベンジ2 感想・レビュー|天使すぎるあの娘との距離が近づく青春やり直しラブコメ

千代瀬

総合評価

※画像は角川スニーカー文庫様より引用

👉陰キャだった俺の青春リベンジ 天使すぎるあの娘と歩むReライフ2巻をAmazonで見る

作品情報

タイトル:陰キャだった俺の青春リベンジ 天使すぎるあの娘と歩むReライフ2
著者:慶野 由志
イラスト:たん旦
出版社:角川スニーカー文庫(KADOKAWA)

詳細評価(5段階)

主人公:
相変わらず沸点が低く攻撃的なところがあり、社畜として理不尽を耐えた経験を持つ設定のわりには、すぐにムキになりすぎる印象がある。ただ、未来を変えるために努力する姿勢はしっかり描かれており、その点は評価できる。

ヒロイン:
1巻の頃と比べて成長が見られ、主人公との出会いを通して自分の意見を言えるようになった点は好印象。困ったときに一人で抱え込まず、主人公に頼れるようになったのも良い。恋愛要素はまだ控えめで、どちらかというと“距離感が近い友達”のような関係性に見えるが、今後の進展が期待できる。

シナリオ:
文化祭後の余韻から始まり、テスト勉強・御曹司の登場・家族との対面とイベント盛りだくさん。青春らしい要素が詰め込まれておりテンポよく楽しめる。ただし「陽キャが上、陰キャが下」という対比が繰り返し強調されすぎており、ややしつこく感じられる点はマイナス。

気楽さ:
大きなシリアス展開はなく、全体的には青春ラブコメの明るさでまとまっている。日常イベントが中心なので軽快に読み進められる。

後味:
春華との関係がさらに一歩進み、致命的な問題や大きな波乱もなく平和に終わる巻。読後は自然と続巻に期待が持てる構成になっている。

長さ:
ボリュームは標準的で読みやすい。イベントが多くテンポよく進む反面、部分的に駆け足気味に感じられるところもあった。

良かった点

春華に明確な恋愛感情はまだ芽生えていないものの、無意識に主人公へ寄せる好意が自然で心地よく描かれている点が魅力的。
また、主人公が社畜時代に培ったスキルを活かして「娘を溺愛する父親」を説得するシーンは見どころの一つ。単なる学園ラブコメに留まらず、社会経験を踏まえた切り返しを活かしているのが面白かった。

気になった点

社畜生活を経て転生した主人公のはずが、高校生相手にムキになりすぎる場面が多く、社会経験を積んだ人物としてはもう少しスマートに立ち回ってほしいと感じた。
また、学園設定における「上位の生徒/下位の生徒」という差別的な構図が強調されすぎており、極端に描かれている印象を受ける。現実で「自分は上位の人間だ」と公言する生徒はほとんどいないと思われるだけに、誇張表現が鼻につく場面もあった。

実際に読んで感じたこと

1巻の怒涛の展開と比べると、今回はテスト勉強や春華の自宅訪問など、比較的穏やかな日常イベント中心で進む平和な巻でした。まだ恋愛感情にまでは至っていないため、純粋なラブコメというよりは「青春の一ページ」を切り取ったような雰囲気で楽しめると思います。

一方で、学園内の「上位/下位」といった差別的な生徒が多く、その描写も繰り返し出てくるため、現実にはあり得ないと感じてしまい物語から引き戻される場面もありました。作品の世界観として割り切れば受け入れられる部分ですが、やや過剰に映るかもしれません。

まとめ

『陰キャだった俺の青春リベンジ2 天使すぎるあの娘と歩むReライフ2』は、1巻の怒涛の展開から一転して、テスト勉強や自宅訪問といった日常イベントを中心に描いた比較的穏やかな巻となっています。
恋愛感情が大きく動くわけではありませんが、春華と主人公の距離感が近づいていく過程や、無意識ににじみ出る好意が心地よく、青春らしい空気感を楽しめます。

一方で、主人公が社畜経験を持ちながらも感情的になりすぎる点や、学園内での「上位/下位」の強調表現が誇張されすぎているのは気になるところ。ただし、それを含めても青春ラブコメとしての魅力は十分にあり、今後の展開への期待を高める内容でした。

青春やり直しものが好きな人や、ゆるやかな人間関係の変化を楽しみたい人におすすめできる続巻です。

👉角川スニーカー文庫様公式サイトはこちら

👉陰キャだった俺の青春リベンジ 天使すぎるあの娘と歩むReライフ2巻をAmazonで見る

<前巻のレビュー>

陰キャだった俺の青春リベンジ 天使すぎるあの娘と歩むReライフ①はこちら

ABOUT ME
記事URLをコピーしました