『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』感想|妹との出会いが繋ぐラブコメストーリー
総合評価

※画像はダッシュエックス文庫様より引用
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作品情報
タイトル:迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について1
著者:ネコクロ
イラスト:緑川葉
出版社:ダッシュエックス文庫
あらすじ
主人公・青柳明人のクラスに転校してきたのは、クラス全員が見惚れるほどの美少女、シャーロット・ベネット。彼女は遠い国から来た留学生で、明人にとってはまるで別世界の存在。関わりを持つことなどないだろうと思っていた。
ところがある日、帰宅途中に英語で泣いている小さな女の子と出会う。英語が話せる明人は思わず声をかけ、助けてあげることに。なんとその子は、シャーロットの妹だった――。
これをきっかけに、明人とシャーロットは次第に距離を縮めていく。お隣さん同士という近さも手伝って、彼女が家に遊びに来るようになり、明人の平凡な日常は大きく変わり始める。
詳細評価(5段階)
主人公:
英語が話せるという特技を持ちつつ、基本は普通の男子高校生。困っている子供を放っておけない優しさが描かれていて好印象。ヒーローというより、自然体で手を差し伸べられる姿が魅力。若干、自己犠牲がすぎるところがあるが、過去に何かあった結果だと考えられるので今後の展開に期待。
ヒロイン:
シャーロットは美人で気品がありながら、妹想いで温かい性格。高嶺の花のように見えて、主人公と関わることで親しみやすさが出てくる。留学生という設定が物語に華を添えている。さらに、妹のエマも子供らしい可愛さがあり、主人公によく懐いてほんわかする。
シナリオ:
妹を助けたことをきっかけに関係が始まるという導入は王道ながらも、キャラクター同士の関係性が自然に展開していく。家庭的な場面や、隣同士というシチュエーションが丁寧に描かれている。エマを中心に、家族愛について描かれているのもポイント。
気楽さ:
日常系ラブコメとして読みやすく、重たい展開は少ない。英語や異文化要素が入っているものの難解さはなく、テンポ良く進む。
後味:
妹を通じて築かれる絆が温かく、読後感は爽やか。序盤から恋愛の芽生えを感じさせ、続きへの期待感がしっかり残る。
長さ:
一冊で大きな進展までは描かれないが、序盤としては十分なボリューム。今後のシリーズ展開を見越した構成に感じられる。
良かった点
主人公が英語を自在に話せることで、クラスメイトには理解できない「秘密の会話」が自然に生まれ、さらに日本語がわからない妹のエマとのやり取りを逆手に取った場面も微笑ましく描かれていたのが印象的で、その可愛らしいエマを溺愛するシャーロットが、彼女を優しく助けてくれる主人公に少しずつ心を開き、信頼を寄せていく過程が丁寧に表現されていてとても良かった。
気になった点
エマの存在がきっかけでヒロインが主人公の家に入るまでの流れが早く、二人の距離感が一気に縮まった印象があり、もう少し会話や日常的な交流を積み重ねてからゆっくりと関係を深めていく展開が見たかった。
実際に読んで感じたこと
ラノベを読み始めた頃に手に取った作品で、妹・エマを助けたことをきっかけにヒロインと仲良くなっていくという王道展開ではあるものの、お互いに善意を持ちながら遠慮しがちな二人が少しずつ距離を縮めていく過程が心地よかったです。シャーロットとエマはすでに主人公への好意を強く示しているように見えますが、主人公は過去の出来事からか自己犠牲的な一面やシャーロットに遠慮している節があり、その背景が続編でどのように明かされていくのかに期待が高まります。
まとめ
迷子の妹を助けたことをきっかけに、留学生ヒロインと急接近していくという王道ラブコメ展開ながら、家族愛や異文化交流を交えた温かみのある作品でした。エマの存在が物語に可愛らしさを添え、シャーロットとの関係を自然に深める流れも心地よく描かれています。主人公の自己犠牲的な一面や遠慮がちな姿勢が今後どのように変化していくのか、続編での掘り下げに大いに期待が持てる一冊です。
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