『なぜかS級美女達の話題に俺があがる件4』感想|三人のヒロインが本格的にアタック!お泊まり会で進展するラブコメ巻
総合評価

※画像はKADOKAWA様公式サイトより引用
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作品情報
タイトル:なぜかS級美女達の話題に俺があがる件3
著者:脇岡こなつ
イラスト:magako
出版社:KADOKAWA(角川スニーカー文庫)
あらすじ
栄華高校の文化祭《栄華祭》を終え、夏休みを迎えた赤崎晴也。
休みの間は家で静かに過ごそうと考えていたが、《S級美女》の姫川沙羅、小日向凜、高森結奈、さらに友人の風宮とともに二泊三日のお泊まり会に誘われる。断り続けてきた罪悪感から、渋々参加することになった晴也。
まだ自分の裏表の正体が一人にしかバレていないと思っていたものの、残りの二人も薄々気づきはじめていて……。
それぞれの美少女たちが「晴也に好きになってほしい」と本格的にアタックを仕掛けてくる、シリーズ屈指のラブコメ展開が繰り広げられる。
詳細評価(5段階)
主人公:
今回は三人とのお泊まりイベントということで、正体がバレないように表の顔を崩さず立ち回るが、持ち前の人の良さがつい出てしまい、ヒロインたちの好意をさらに集めてしまう。ラブコメの中に「なぜ主人公がここまで距離を取ろうとするのか」の序章も描かれており、今後の展開に期待が高まる。
ヒロイン:
沙羅・凜・結奈の三人がそれぞれ個性的かつ積極的にアプローチしてくるのが見どころ。特に今巻は沙羅がメインに描かれ、彼女の「晴也の良さを気づく人が増えていく不安や嫉妬心」が丁寧に描写されている。これまで控えめだったキャラの大胆な行動も印象的で、シリーズでも一番「ラブコメらしさ」が強い巻。
シナリオ:
お泊まり会というシンプルな舞台の中で、3巻までの積み重ねが生かされ、それぞれの思いが丁寧に描かれる。ラブコメらしいやり取りの中に、キャラクターたちの心境の変化や成長も盛り込まれており、読んでいて楽しい。また、主人公が距離を取ろうとする理由に触れ始めており、物語の深みが増している。
気楽さ:
ドタバタ感はあるが、基本は笑いやニヤニヤできる展開が中心。若干シリアスなシーンもあるが、重すぎず気軽に読める。これまでの巻を読んでいるからこそ理解できる彼女たちの気持ちがあり、「どの子も幸せになってほしい」と思える構成になっている。
後味:
三人の関係性が大きく進展し、衝撃的なラストで幕を閉じる。この記事作成時点ではまだ5巻が発売されていないため、続きが気になって仕方がない。
長さ:
お泊まり会というイベントだけで構成されているが、三人のヒロインそれぞれにしっかりとボリュームのあるエピソードが割かれており、大満足の内容。
良かった点
3巻でぐっと距離を縮めた凜が、今巻では「恋する乙女」として一番可愛らしさを発揮していたのが印象的。
沙羅・結奈もそれぞれの個性を生かした魅力を見せ、三人三様に好意を寄せてくる姿が読んでいて楽しかった。
また、主人公は正体がバレたくないという思いを抱えながらも、彼女たちの真剣な悩みには真剣に向き合う姿勢を見せており、その誠実さが好印象だった。
気になった点
特に大きく気になる部分はなかった。
あえて挙げるなら、主人公の過去のトラウマにつながりそうなシーンが少し見えてきた点。
今は三人が好意を寄せる関係になっているものの、状況によってはそのトラウマに近づいているようにも感じられ、先の展開がやや不安に思えた。もっとも、主人公自身は「嫌われるように」「正体がバレないように」と立ち回っているので、そのつもりはないのだろうが……。
実際に読んで感じたこと
今巻はシリーズの中でも特にラブコメ要素が強く、読んでいて一番ニヤニヤできた巻だった。
三人のヒロインそれぞれが積極的に動き、主人公に気持ちをぶつける場面はどれも見応えがあり、キャラ同士の関係性の変化を楽しめた。
また、主人公が「なぜ距離を取ろうとするのか」という背景が少しずつ明かされ始め、ただのラブコメでは終わらない物語の奥行きを感じられる点も良かった。
次巻以降でその理由がしっかり描かれることに期待が高まる。
まとめ
『なぜかS級美女達の話題に俺があがる件4』は、シリーズの中でもラブコメ色が最も強く、三人のヒロインが本格的に動き出す巻だった。
お泊まり会という舞台でそれぞれの魅力が存分に描かれ、読んでいて笑いやニヤニヤが絶えない。
同時に、主人公がなぜここまで距離を取ろうとするのかという背景が描かれ始め、物語としての厚みも増してきた。
衝撃的なラストを迎え、続刊が待ち遠しくなる一冊。シリーズを追ってきた人なら必読の巻といえる。
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<前巻のレビュー>
👉 『なぜかS級美女達の話題に俺があがる件』③はこちら