『悪役御曹司の勘違い聖者生活』レビュー|二度目の人生はやりたい放題?努力型主人公オウガの成長物語
総合評価

※画像は電撃文庫様公式サイトより引用
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作品情報
タイトル:悪役御曹司の勘違い聖者生活 ~二度目の人生はやりたい放題したいだけなのに~
著者:木の芽
イラスト:へりがる
出版社:電撃文庫(KADOKAWA)
あらすじ
事故に巻き込まれて命を落とした主人公は、魔法の存在する異世界へと転生する。
転生先は「悪徳領主」と呼ばれる父を持つ御曹司、オウガ・ヴェレットだった。
前世では「いい人」を演じ続けて苦い思い出しか残らなかったことから、オウガは二度目の人生では「悪役」として信念を持ち、自由気ままにやりたい放題の生活を送ることを決意する。
しかし、待ち受けていたのは数々の問題。転生先の体は魔法の適性がないと判明するが、同時に桁外れの魔力量を秘めていることもわかる。この世に使える魔法がないのなら、自ら作ってしまえばいい――。
勉強と鍛錬を重ねながら、オウガは「人生の勝ち組」を目指して歩み始める。
詳細評価(5段階)
主人公:
前世では「いい人」を演じ続けて報われなかった経験を持つオウガ。転生後は自由気ままに生きると決意する姿勢が痛快。魔法適性がないという逆境にもめげず、持ち前の勉強熱心さと努力で新しい可能性を切り開こうとする姿は好印象。
ヒロイン:
本巻ではまだ登場や掘り下げは控えめ。登場キャラが多いこともあり惚れるまでが早い印象だが、これからのシリーズでの関わりに期待。主人公の自由奔放さにどう振り回されるのか楽しみ。
シナリオ:
「悪役御曹司」という立場から始まる転生もの。魔法が使えないというハンデに直面するも、「新しい魔法を作ってしまえばいい」という発想がユニーク。定番の悪役異世界転生ながら、勘違いや聖者扱いされていく展開が光る。
気楽さ:
深刻になりすぎず、コメディタッチで描かれる場面も多く、気軽に読み進められる。一巻では魔法の才能がないことが発覚しているため、周囲も油断しており安心して読める展開になっている。
後味:
一冊で問題解決まで描かれており、区切りは良い。ヒロイン候補の存在も描かれ、続編への期待も高まる。
長さ:
導入巻としてテンポは良く読みやすいが、人物関係や世界観の掘り下げはこれから。続巻での本領発揮に期待。
良かった点
王道の悪役転生ものでありながら、悪役を目指すオウガの行動が周囲に伝わらず「いい人扱い」されてしまう勘違い展開が面白かった。
また、才能に溺れず未来のために地道な努力を重ねる姿勢が描かれており、主人公としての好感度が高いのも魅力的だった。
気になった点
ヒロインが惚れる、あるいは忠誠を誓うまでの展開がやや早すぎる印象を受けた。
オウガの行動によって惹かれていく流れ自体は納得できるものの、その過程をもう少し丁寧に描いてほしかった。
実際に読んで感じたこと
悪役御曹司として「やりたい放題」を目指すものの、周囲からは勘違いされて聖者扱いされてしまう構図がコミカルで楽しく読めた。
王道の異世界転生要素に加えて、主人公の努力家な一面がしっかり描かれており、単なる勘違いコメディに終わらない点も良かった。
ヒロインの描写はまだ浅めではあるが、続巻でどう掘り下げられていくのか楽しみ。導入巻として十分に期待を持たせてくれる一冊だった。
まとめ
『悪役御曹司の勘違い聖者生活 ~二度目の人生はやりたい放題したいだけなのに~』は、王道の悪役転生を題材にしながら、主人公オウガの行動が周囲に誤解され「聖者」として扱われてしまう勘違い展開が魅力の作品だった。
才能に恵まれずとも努力を惜しまない主人公像が描かれており、読んでいて応援したくなる。
導入巻としてキャラクターや世界観の広がりを示しつつ、次巻以降にさらなる掘り下げが期待できる一冊。悪役転生×勘違いコメディが好きな人にはおすすめ。
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