『俺の背徳メシをおねだりせずにいられない、お隣のトップアイドルさま』感想|背徳メシがつなぐ、アイドルと高校生の甘い関係
総合評価:

※画像はMF文庫J(KADOKAWA)様より引用
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作品情報
タイトル:俺の背徳メシをおねだりせずにいられない、お隣のトップアイドルさま
著者:及川輝新
イラスト:緋月ひぐれ
出版社:MF文庫J
あらすじ
“おせっかい”な高校生・真守鈴文は、ある日マンションの前でお腹を空かせて倒れていた少女を助ける。
その正体は、今をときめく人気女子高生アイドル・有須優月だった。
アイドルとして過酷な食事制限を続けていた優月に、鈴文が手料理を振る舞うと――
彼女はその味に思わず涙するほど感動する。
しかし、理想のアイドル像を守りたい優月は「もう食べない」と拒絶。
それでも鈴文は、彼女に“食べる幸せ”を取り戻してもらうため、
自分の料理で優月を“メシ堕ち”させることを決意する。
詳細評価(5段階)
主人公:
真守鈴文はおせっかいながらも誠実で思いやりのある性格。
アイドルという特別な存在に臆せず、健康や幸せを真っすぐに考えられる優しさが魅力的。
料理に対する探究心も高く、彼の作る“背徳メシ”には人を癒やす温もりがある。
ヒロイン:
有須優月は完璧なアイドルでありながら、無理な食事制限で心身ともに限界を迎えていた。
鈴文の料理を通して少しずつ素の自分を取り戻していく過程が丁寧に描かれ、読者も癒される。
表ではプロ意識が高いのに、裏では食欲と感情に素直な姿がギャップとしてとても可愛い。
シナリオ:
「アイドル×食事制限×背徳メシ」という新鮮な組み合わせが魅力。
日常会話や食事シーンのテンポがよく、食の描写も丁寧で臨場感がある。
恋愛要素はまだ控えめだが、“心の距離が少しずつ縮まっていく”過程が温かく、ギャグのテンポも程よく笑える。
気楽さ:
少し重い展開はあるものの、基本は会話と食事シーンを中心に穏やかに進む。
背徳メシというテーマながら読後感は非常に優しく、リラックスして楽しめる。
後味:
起承転結がしっかりしており、気持ちよく締めくくられている。
ラストは次巻を期待させる終わり方になっており、読後の満足感も高い。
長さ:
料理シーンが多いぶんテンポはゆったりめだが、雰囲気重視の作品としてバランスは良い。
1巻完結としても満足度が高く、次巻への期待を持たせる構成。
良かった点
特に食事シーンの描写がとても丁寧で、美味しそうに描かれていたのが印象的でした。
背徳メシというテーマにふさわしく、香りや食感まで想像できるほど臨場感があります。
また、ラブコメ要素もしっかり盛り込まれており、
アイドルという非日常の存在と、隣人としての親しみやすさのバランスが絶妙でした。
読んでいてお腹も心も満たされるような、温かみのある作品です。
気になった点
メインヒロイン以外にも複数のヒロインが登場しますが、どのキャラクターも最初から距離感が近く感じました。
特に有須優月は「理想のアイドル像」を貫こうとするキャラクターであるため、
もう少し関係が深まっていく過程に段階的な流れがあると、より説得力が増したと思います。
ご飯の誘惑に負けた――と言われればそれまでですが、
恋愛要素への移行がやや急に感じられました。
実際に読んで感じたこと
タイトルの通り“背徳メシ”という言葉に惹かれて読みましたが、
実際はそれ以上に“人の心をほぐす温かさ”が詰まった作品でした。
食事の描写は本当に美味しそうで、読んでいるだけでお腹が空いてくるほど。
ラブコメとしてのテンポも良く、主人公とヒロインの掛け合いが自然で心地よいです。
また、アイドルという立場の裏にあるプレッシャーや葛藤が丁寧に描かれており、
“食べること”“生きること”の大切さを改めて感じられる一冊でした。
まとめ
『俺の背徳メシをおねだりせずにいられない、お隣のトップアイドルさま』は、
“食事”を通じて人の心を救う優しい物語です。
アイドルという華やかな世界の裏で苦しむヒロインと、
彼女を支える主人公のまっすぐな想いが温かく描かれ、
背徳メシの香ばしさと、恋の甘さが絶妙に混ざり合った一冊でした。
食事シーンの臨場感、日常の癒し、そして少しずつ芽生える恋心――
全体のバランスがよく、癒し系ラブコメとして満足度の高い作品です。
食と恋、どちらも“幸せの味”を感じられるラノベでした。
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