『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』感想レビュー|初めての百合でも読みやすい青春ラブコメ
総合評価

※画像はダッシュエックス文庫様より引用
👉📚 購入はこちら(文庫・紙)
・Amazon:〔文庫版リンク〕
※Kindle版はページ上でリンク作成できない表示のため、Amazonでタイトル検索すると見つかります。
作品情報
タイトル:わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)
著者:みかみてれん
イラスト:竹嶋えく
出版社:ダッシュエックス文庫(集英社)
あらすじ
元陰キャの甘織(※主人公/通称レナ子)は、高校デビューに成功したものの、自分に自信が持てず、どこか“無理している”感覚を抱えたまま学校生活を送っていた。
周囲に馴染みたい、普通に友達を作りたい――そんなレナ子の前に現れるのが、学校の人気者でプロモデルとしても活躍する完璧超人・王塚真唯だ。
何もかもが眩しくて、レナ子とは真逆に見える真唯。
けれど彼女は、完璧だからこそ抱えている“脆さ”もあり、レナ子はその一面に触れるたびに放っておけなくなっていく。
そして真唯は、レナ子の予想を軽々と飛び越える距離感でグイグイと迫ってくる。
「友達のはず」「恋人なんてムリムリ!」と心の中で叫びながらも、レナ子の気持ちは揺さぶられ、日常は少しずつ変わり始める。
これは、可愛い女の子たちに振り回されながら、レナ子が“自分の本音”と向き合っていく青春ラブコメ。
初めて百合作品を読む人でも入りやすいテンポ感で、キャラクターの魅力を丁寧に見せていく第1巻です。
詳細評価(5段階)
- 主人公:
レナ子は元陰キャで高校デビューに成功した女の子ですが、成功したからこそ“無理している自分”や自己肯定感の低さが目立ち、その揺れが丁寧に描かれているのが良かったです。
妹の協力もあって行動に移せるタイプで、悩んだり弱気になったりしつつも、ここぞという場面ではちゃんと動けるのが好印象でした。
感情描写が細かく、頭の中のツッコミや戸惑いが等身大なので共感しやすく、読者が自然と応援したくなる主人公です。 - ヒロイン:
真唯は学校の人気者で、しかも本物のプロモデルという“完璧超人”の説得力が強く、存在感だけで物語を引っ張れるヒロインでした。
レナ子とは真逆で、自信だけでなく結果までしっかり出すタイプのスーパー高校生なのに、完璧ゆえの脆さがちらっと見えるのが魅力的です。
さらにアプローチがグイグイで、レナ子がタジタジになる関係性が可愛らしく、ラブコメとしての見どころをしっかり作ってくれます。 - シナリオ:
純粋な百合作品をあまり読んでいなくても新鮮に楽しめる構成で、導入から読みやすさが強い一冊でした。
キャラの感情や距離感の変化が追いやすく、初めてのジャンルでも置いていかれにくいのが良かったです。
紹介回的な側面はあるものの、登場人物がコンパクトにまとまっているので把握しやすく、テンポ良く魅力を見せて次が気になる形に繋げています。 - 気楽さ:
高校生活が舞台ということもあり、基本は日常ベースで、構えず気楽に読める空気感があります。
難しい設定や重い理屈を追う必要がなく、レナ子の心の声や掛け合いを楽しみながらスラスラ読めるのが良いところ。
百合作品が初めてでも抵抗なく入りやすく、読んでいるうちに自然とキャラに愛着が湧くタイプの気楽さでした。 - 後味:
結末は賛否が分かれそうなタイプで、「ここでそう来るか」と感じる人もいそうです。
ただ個人的には納得できる落としどころで、読後感そのものは悪くなく、むしろ続きが気になる余韻が残りました。
きれいに一段落しつつも「この先も読んでみたい」と思わせる引きがあり、シリーズへの興味を素直に高めてくれます。 - 長さ:
テンポが良くサクサク読めた分、体感としては少し短く感じました。
もう少し二人の日常や距離が縮まる過程を眺めたかった気持ちはありますが、その分だれることなく読める長さでもあります。
第1巻として“キャラの魅力を提示して次へ繋げる”役割はしっかり果たしていて、続刊での満足度アップに期待したくなるボリュームでした。
良かった点
まず、レナ子の感情描写がとにかく丁寧で、共感しながら読めたのが一番の魅力でした。高校デビューに成功したのに自信が持てない、無理して明るく振る舞ってしまう、でも本音は揺れている――その“等身大の心の動き”が細かく描かれているので、読者が自然と主人公の味方になれます。ツッコミや戸惑いもリアルで、初めての百合作品でも抵抗なく入り込める読みやすさに繋がっていました。
次に、真唯をはじめとした女の子たちが素直に魅力的で、キャラで読ませる力が強いところが良かったです。真唯は完璧超人としての説得力がありつつ、完璧ゆえの脆さが垣間見えるのがヒロインとして強い。レナ子とは真逆の存在だからこそ、ぶつかったり揺さぶったりするたびに関係が動き、単なる“可愛いだけ”で終わらない面白さがあります。登場人物がコンパクトにまとまっていて把握しやすいのも、キャラの魅力がスッと入ってくる理由だと思います。
そしてラブコメとして、真唯がグイグイ距離を詰めてくるのに対して、レナ子がタジタジになってしまう関係性が可愛らしく、ニヤニヤできるポイントでした。「ムリムリ!」と言いながらも、心が追いつかないまま振り回されてしまうレナ子の反応が面白く、テンポ良くページが進みます。軽快に読めるのに、感情の芯はちゃんと掴んでくるので、読み終えたあとに“思った以上に楽しかった”が残る第1巻でした。
気になった点
まず、一冊に収める都合もあると思いますが、終盤はやや駆け足気味に感じました。テンポ良くサクサク読めるのは長所でもある反面、もう少し二人の日常や、気持ちが変化していく過程をじっくり眺めたかったという物足りなさは残ります。特に関係性が動くポイントが多い作品だからこそ、余韻パートがあと少し欲しくなりました。
もう一点、結末(着地の仕方)は人によって好みが分かれ、賛否が出そうだとは思います。ただ、個人的には納得できる落としどころで、読後感自体は悪くありませんでした。むしろ「この先も読んでみたい」という興味が強く残るタイプの締めなので、続刊に繋げる意味では上手い終わり方だったと感じています。
実際に読んで感じたこと
純粋な百合作品はこれまであまり読んでこなかったのですが、本作は思っていた以上に抵抗なくスラスラ読めて、素直に楽しめました。百合特有の距離感や空気感も“分かりやすいラブコメ”として入ってくるので、初見でも置いていかれにくいのが大きいと思います。
特にレナ子の感情描写が丁寧で、迷いや戸惑いがリアルに伝わってくるので、ジャンルを意識するより先に「主人公の気持ちに乗れる」感覚がありました。真唯のグイグイなアプローチにタジタジになるレナ子が可愛らしく、ニヤニヤしながらページが進みます。
読み終えた後は「もっと二人の日常を見ていたかった」という気持ちが残りつつも、それだけキャラクターに愛着が湧いた証拠でもありました。結末の好みは分かれそうですが、個人的には納得できて、続きも読んでみたいと思える第1巻でした。
まとめ
『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』は、純百合作品をあまり読んでこなかった人でも入りやすい、テンポの良い青春ラブコメでした。レナ子の感情描写が丁寧で共感しやすく、真唯のグイグイなアプローチにタジタジになるやり取りが可愛らしくて、気づけばスラスラ読めてしまう読みやすさがあります。
一方で終盤はやや駆け足気味で、もう少し二人の日常や心の変化を眺めたかったという物足りなさは残りました。結末も賛否が分かれそうではありますが、個人的には納得できる着地で、むしろ「この先も読んでみたい」と思える余韻が強かったです。
“初めての百合”としてもおすすめできる入り口の一冊で、キャラクターの魅力に素直に惹かれた人ほど続刊が気になっていくタイプの第1巻でした。
📚 購入はこちら(文庫・紙)
・Amazon:〔文庫版リンク〕
※Kindle版はページ上でリンク作成できない表示のため、Amazonでタイトル検索すると見つかります。

