総合評価
※画像はKADOKAWA様公式サイトより引用
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作品情報
- タイトル:あなた様の魔術【トリック】はすでに解けております -裁定魔術師レポフスキー卿とその侍女の事件簿-
- 著者:白金 透
- イラスト:天野 英
- 出版社:KADOKAWA
詳細評価(5段階)
- 主人公:
推理力は高いが、それほどの知略があるならもう少し身を守る工夫があってもよかったのではと感じた。
- ヒロイン:
明確なヒロインは存在しないが、魅力的なキャラが唯一の癒しとして印象に残る。
- シナリオ:
魔術とミステリーを融合させた設定が新鮮で、展開もテンポよく楽しめた。
- 気楽さ:
登場人物が少なく、整理しやすく読みやすいミステリーとして気楽に楽しめた。
- 後味:
事件は解決するが、本筋のストーリーがほぼ動かないまま終わるため物足りなさが残る。
- 長さ:
複数の事件が描かれていたが、ボリューム的にはやや物足りなさを感じた。
あらすじ
魔術が存在する世界。
魔術師たちは、強大な力を持ち、マギレス(魔力を持たない者)では太刀打ちできない存在とされている。
そんな中、魔術師が関わる事件の真実を見抜き、
圧倒的な魔術と知略で裁きを下す存在──「裁定魔術師(アービトレーター)」。
本作は、そんな彼の事件簿である。
良かったところ
- 推理と魔術の融合という設定が新鮮で、ミステリーファンにもファンタジー好きにも刺さる構成だった。
- 主人公の冷静な推理がスマートで、解決までの展開に無駄がなく読んでいて気持ちよかった。
- 事件の展開には緊張感があり、読者としても「どうなるのか」と自然と引き込まれた。
- 文章が読みやすく、テンポが良いため読後のストレスも少なかった。
気になったところ
- 処刑シーンなど、魔術を使った描写が少し分かりづらく、最終的に何が起きたのか理解しにくい場面があった。
- 物語の本筋はあまり進まず、プロローグ的な内容に留まっているためモヤモヤが残る。
- 事件解決はするものの、基本的に救いのない展開が多く、読者によっては後味に重さを感じるかもしれない。
実際に読んでみて感じたこと
魔術×ミステリーという珍しいジャンルに惹かれて手に取りました。
「古畑任三郎」のようなスタイルで冷静で淡々と事件を解決していく雰囲気が好きな人には合うかもしれません。
テンポや推理展開は楽しめたものの、想像以上に救いのない内容で驚きました。
事件は解決しても、物語の本筋はまだほとんど動いておらず、今後の展開が気になります。
まとめ
魔術と論理で事件を解決する、異色のミステリーファンタジー。
テンポの良い推理と冷静な主人公の描写が光る一方で、救いのない展開や導入的な構成には好みが分かれそうです。
少し重めの雰囲気が好きな方には、じっくり楽しめる作品だと思います。
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