『エロゲの伯爵令嬢を奉仕メイド堕ちさせる悪役御曹司に転生した俺はざまぁを回避する』感想|悪役なのに好かれるギャップが面白い異世界転生ラノベ
総合評価

※画像はファンタジア文庫様より引用
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作品情報
タイトル:エロゲの伯爵令嬢を奉仕メイド堕ちさせる悪役御曹司に転生した俺はざまぁを回避する
著者: 東夷
イラスト: をん
出版社: ファンタジア文庫
あらすじ
現世では社畜として働いていた主人公。
ストレス発散のつもりで、パッケージのエリーゼの可愛さに惹かれてハーレム系エロゲを購入する。
可愛いエリーゼたちとのハーレムを満喫するつもりが――まさかのNTR(寝取られ)展開だった。
しかもヒロインたちを奪っていく悪役ノルドは性格最悪で、ゲームバランスも鬼畜級。
なんとかノルドを倒してクリアした主人公は、その開放感から酒を飲みすぎてしまい、気づけば――ゲームの世界に転生していた。
しかも転生先は、よりにもよって“あの”悪役ノルド本人。
物語の流れを知る主人公は、「ざまぁ展開」を回避するために奮闘し、ヒロイン・エリーゼを本来の主人公とくっつけようとする。
しかし、なぜかエリーゼの好意はノルド=自分に向かってしまい……?
悪役転生×ざまぁ回避×逆転ハーレムな異世界ファンタジー、開幕!
詳細評価(5段階)
主人公:
根は善人なのに悪役に転生した可哀想な主人公。ノルドの人格の影響で口調が強制的に上から目線に変わるのがユニークで、悪役としての立ち位置を演出しながらも中身は誠実というギャップが面白い。強さが異常ながらも決して慢心せず、破滅エンドを避けるために行動する姿勢には好感が持てる。悪ぶっているのにどんどん“いい人”と認識されていく過程が、読んでいて一番の笑いどころだった。
ヒロイン:
メインヒロインのエリーゼを中心に、複数のヒロインが登場し、それぞれが個性豊かに描かれている。主人公は裏から二人をくっつけようとするが、なぜか自分が次々と惚れられてしまう展開が面白く、悪役が“愛され役”になる逆転構図が魅力的。エリーゼは一途で、ボディタッチ多めの積極的なアプローチを見せるためラブコメ的なテンポも良く、エロげ原作らしさを保ちつつもコメディ寄りで読みやすい。
シナリオ:
寝取り要素はほとんどなく、出会いから学園での再会、イベントの流れまでテンポよく進むため、ストレスのない構成となっている。主人公が“目立たないように”立ち回るほどに周囲から評価が上がっていくという皮肉が効いており、ざまぁ回避を狙う逆転ストーリーとして楽しめる内容。さらに、ゲーム上の主人公を支えるつもりが逆に成長を妨げてしまうという設定も絶妙で、物語のユーモアと奥行きを両立していた。
気楽さ:
異世界×貴族社会という舞台でありながら、難解な設定や専門用語が少なく、非常に読みやすい作品。登場人物はシンプルで、関係性も明確なので混乱が少ない。主人公が圧倒的な強さを持ちながらも慎重に動くため、バトルや陰謀も安心して楽しめる“安定感のある異世界転生もの”として仕上がっている。重すぎず軽すぎず、ちょうど良いテンションで読めるのが魅力だった。
後味:
エリーゼとの関係にきちんと区切りがついており、物語としての満足度が高い。最後は綺麗にまとまりながらも、今後の展開を感じさせる伏線が軽く散りばめられていて、読後に“続きが気になる”余韻を残すのが上手い。ざまぁ系にありがちなドロドロ感を避け、気持ちよく読み終えられる締め方が印象的だった。
長さ:
テンポが良く、一冊を通して飽きることなく読める構成。イベントが多く、それぞれがきちんと展開に繋がっているため、密度のある物語として満足感が高い。文章も読みやすく、重たいシーンが少ないため最後までスムーズに進められるボリューム感だった。
良かった点
ノルドが真の主人公とエリーゼをくっつけようと、事件を代理で解決していく展開がとても面白かったです。
本来なら裏方として動いているはずなのに、その行動の一つひとつが裏目に出て、結果的に周囲の評価をどんどん上げてしまうのが魅力的でした。
エリーゼは原作でも一途な性格のため、惚れた時点で完全にルート確定してしまうのですが、それに気づかないノルドが必死に距離を取ろうとする姿が微笑ましく、読んでいて笑ってしまうほど。
“悪役が頑張れば頑張るほど好かれていく”という王道の逆転パターンをテンポ良く描いており、この作品の最大の見どころになっています。
気になった点
表題からもわかる通り、本作は「エロゲ」原作を題材にしているため、性的な描写が多めです。
そこが作品の持ち味でもありますが、そうした要素が苦手な方にはやや刺激が強く感じられるかもしれません。
また、物語上の“真の主人公”があまりにもポンコツすぎて、活躍らしい活躍がない点も少し気になりました。
ノルドの奮闘が面白いだけに、もう少し本来の主人公にも見せ場があると、より対比が映えたように思います。
実際に読んで感じたこと
悪役に転生した主人公が“ざまぁ”を回避しようと必死に立ち回る姿が魅力的でした。
本来なら嫌われ役のノルドが、裏からサポートするたびに周囲の評価を上げてしまうという構図は、読んでいて痛快で、思わず笑ってしまう場面も多かったです。
悪役という立場のまま人を助けたり問題を解決したりする展開は新鮮で、典型的な異世界転生ものの中でも印象に残る一冊でした。
また、エリーゼとのやり取りはラブコメとしてもよくできていて、少しずつ惹かれていく描写や、ノルドが気づかないまま恋愛フラグを立てまくる展開もテンポが良く楽しめました。
キャラ同士の掛け合いも軽妙で、エロげ原作らしい要素を残しつつ、コメディとしての完成度が高いのも好印象です。
全体として、ハーレムやざまぁ系が好きな人にはもちろん、テンポ良く笑いながら読める異世界転生ものとしてもおすすめできる作品だと感じました。
まとめ
エロげ原作をモチーフにしつつも、悪役転生×ざまぁ回避という定番要素をコミカルに仕立てた良作でした。
主人公ノルドの“悪役としての外見と善人としての中身”のギャップが絶妙で、読むほどに愛着が湧いてくるキャラクターです。
シナリオもテンポが良く、ラブコメ要素や学園イベントも楽しめる構成になっているため、読後感も軽やか。
性的な描写が多めな点には注意が必要ですが、それを抜きにしてもキャラクター同士の掛け合いや、
「努力が報われる悪役転生もの」としての面白さは十分にあります。
ざまぁ系や勘違いコメディが好きな人にはぴったりの一冊です。
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