『エロゲの伯爵令嬢を奉仕メイド堕ちさせる悪役御曹司に転生した俺はざまぁを回避する 2』感想|悪役なのに好感度だけが上がる破滅回避ラノベ
総合評価

※画像はファンタジア文庫様より引用
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作品情報
タイトル:エロゲの伯爵令嬢を奉仕メイド堕ちさせる悪役御曹司に転生した俺はざまぁを回避する2 その結果、隣国の皇女がバニーガール姿で毎日慰安に来るのだが……
著者: 東夷
イラスト: をん
出版社: ファンタジア文庫
あらすじ
破滅フラグを避けるため、“ヒロインから恨まれない距離の取り方”を徹底していたノルド。しかしその努力はなぜか真逆の結果となり、本来なら彼を破滅させるはずの伯爵令嬢エリーゼから、ガチ恋級の好意を向けられてしまう。意図せずして破滅を一つ回避したように見え、胸をなで下ろしたのも束の間――。
次に現れたのは、第二の破滅要因となる隣国の皇女ニルヴァーナ。
今回も裏から手を回して破滅回避を狙うノルドだったが、その思惑はあっさり見抜かれてしまう。
破滅を回避するつもりが、なぜか相手の好感度だけが上昇していく悪役転生ライフ。
果たしてノルドは、迫りくる“二度目の破滅フラグ”を乗り越えられるのか――?
詳細評価(5段階)
主人公:
相変わらず傲慢で上から目線の口調は“修正力”の影響で抜けないものの、その裏に隠れている本質はやはり悪人になりきれない善人。味方にはとことん優しく、敵に対しても必要以上に残酷にならず、生かすべき相手はきちんと生かす判断ができる柔軟さを持っている。
周囲の登場人物が常識外れの行動や過剰な愛情表現を連発するため、むしろノルドのほうがまともに見えてしまうバランスが面白く、悪役を演じつつも“根はいい人”という魅力がより際立っていた。
悪役転生主人公としての立ち位置もぶれず、読んでいて安心感のあるキャラクターだった。
ヒロイン:
既存のヒロインたちが前巻に続いて魅力的なのはもちろん、今巻の中心となる皇女ニルヴァーナが強烈な存在感を発揮している。皇女らしい気品を持ちながらも、ノルドに対しては愛が重く、積極的すぎるアプローチが可愛い。
思い込みが激しい性格も作品の“ざまぁ系×ラブコメ”の色合いを強めており、読んでいて癖になるキャラクターに仕上がっている。
周囲の女性キャラもそれぞれ可愛く、恋愛・愛情の方向性が違うため掛け合いに飽きがこず、作品全体の賑やかさを支えていた。
シナリオ:
今回も王道ラノベ展開をしっかり押さえつつ、“悪役転生”という立場で破滅フラグに立ち向かう構図が爽快で読みやすい。
ヒロインたちの暴走気味のアプローチは相変わらず頭ピンク寄りだが、そのぶんノルドの冷静さや立ち回りが際立ち、物語のテンポも良い。
また、今巻では皇女ならではの政治的駆け引きや陰謀が絡むことで、世界観の広がりも感じられる内容になっている。
無双戦闘シーンも迫力があり、続巻として満足度の高い構成だった。
気楽さ:
続刊でありながら、この巻単体でも十分に内容が追える構成で、物語の流れも分かりやすい。
1巻の知識があればキャラ同士の関係性や“重さの方向性”がより楽しめるが、前提がなくても読み疲れしないライトさがあった。
シリアスさが長く続かず、すぐにコメディや掛け合いに切り替わるテンポの良さも魅力で、全体として軽やかに読み進められる巻だった。
下ネタ寄りの表現はあるものの、重苦しさは一切感じない。
後味:
今巻も綺麗に区切りがつく終わり方で、破滅フラグを一つずつ解決していく爽快感があり、読後感は非常に良い。
エリーゼとの関係にきちんと着地がつき、キャラ同士の関係性にも整理が入るため、読み終えてからの満足度が高い一冊になっていた。
次巻への伏線は存在するものの、強く引っ張りすぎず“気持ちよく終わる巻”としてまとめられている点も良いポイント。
貴族争いも人物数が少なく理解しやすいので、読後の混乱がなくスッキリと読み終えられる。
長さ:
テンポが良く、一冊を通してサクサク読めるが、内容自体はしっかり詰まっており密度の高い構成になっている。
重たいシーンが少なく、バトル・コメディ・ヒロインのアプローチがバランスよく配置されているため、どの場面でも退屈しない。
文章も読みやすいため引っかかる部分がなく、自然に読み進められるボリューム感で、続巻としての満足度も高かった。
良かった点
ノルドがどれだけ悪役らしく振る舞おうと、冷たい態度で突き放そうと、ヒロイン側は盲信的にノルドを信じ切っており、好感度が一切下がらないところが非常に面白かったです。
本人は悪人を演じて距離を取るつもりなのに、ヒロインたちはすべてを“好意的に脳内変換”して受け取ってしまうため、努力しても好感度が上昇していくズレが絶妙なギャップになっていました。
さらに周囲の人物たちにも「悪ぶっているだけの優しい勇者」のように誤解され、ノルドの評価が勝手に上がっていく流れも本作らしいコミカルさがあって楽しいポイント。
悪役であろうとするノルドと、それを許さない環境&ヒロインたちの“無自覚な愛情”が噛み合わない展開が、今巻でも魅力的に描かれていました。
気になった点
本作の設定が“エロゲ世界”である以上ある程度仕方のない部分ではありますが、ヒロインたちの頭がピンクすぎる点は、人によって好みが分かれるところだと感じました。
アプローチの仕方がかなり露骨で、女性的な武器を前面に押し出した誘惑シーンも多いため、ラブコメ寄りというよりはアダルト寄りの描写が目立つ巻になっています。
そのため、過度に色気の強い描写が苦手な読者や、健全寄りのラブコメを求めている人にはやや刺さりづらいかもしれません。
世界観ゆえの必然とはいえ、読者を選ぶタイプの“濃いラブコメ表現”が気になったポイントでした。
実際に読んで感じたこと
2巻も“悪役なのに悪になりきれないノルド”の魅力がしっかり描かれていて、読んでいてとても楽しい巻でした。
破滅フラグを避けるために距離を置こうとしても、ヒロイン側の盲信が強すぎて逆に好かれてしまう――このズレがシリーズならではの面白さで、読んでいてニヤニヤする場面が多かったです。
また、今回登場する皇女ニルヴァーナも、重い愛情を向けながらも可愛さがしっかりあるキャラクターで、作品の雰囲気にとても合っていた印象です。
ノルドの成長や戦闘シーンも安定して読み応えがあり、“悪役転生もの”の気持ちよさをしっかり味わえる一冊でした。
一方でヒロイン勢のアプローチがかなりピンク寄りで、読者を選ぶ部分はありますが、そこが気にならない人であれば、最後までテンポよく楽しめると思います。
まとめ
2巻も“悪役転生×破滅フラグ回避”というシリーズの魅力がしっかり詰まった一冊でした。ノルドは相変わらず傲慢な態度を保ちながらも根はどう見ても善人で、そのギャップが物語の面白さを生み出しています。ヒロインたちは相変わらず愛が重く、悪役のつもりで距離を置こうとしても盲信的に好意を向けてくるため、ノルドの努力が空回りする展開がクセになる面白さでした。
皇女ニルヴァーナを軸にした貴族争いも分かりやすく、王道ラノベらしいテンポの良さと爽快感を味わえる構成。戦闘シーンもしっかり盛り上がり、悪役としての立場で物事に対処していくノルドの強さが際立っています。終盤は次巻に向けた小さな伏線を残しつつも綺麗にまとまり、読後感も軽くて心地よいものでした。
一方で、ヒロインたちのアプローチはかなりピンク寄りで、エロゲ原作らしい濃い演出が多いため、好みが分かれる要素ではあります。しかし、そこを受け入れられる人であれば、テンポ・爽快感・ヒロインの濃さが合わさった“軽快に読める続刊”として十分に満足できる内容だと思います。
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<前巻のレビュー>
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