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『口もききたくないあいつと、自習室で甘い筆談』感想|甘く静かな筆談ラブコメが始まる!生徒会長×部活総代の秘密の関係とは?

千代瀬

総合評価:

※画像はKADOKAWA様公式サイトより引用

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作品情報

タイトル:口もききたくないあいつと、自習室で甘い筆談
著者:持崎湯葉
イラスト:さぼてんむし
出版社:MF文庫J(KADOKAWA)

あらすじ

柊ヶ丘学園では、創立以来「生徒会」と「部活連合」が対立関係にあり、今年はなんと両組織の代表がいずれも一年生という異例の事態に。生徒会長・東口真北と、部活連合総代・西丸何南は、伝統に従い常に反目し合う関係にあった。

日々の会議でも、日常でも、顔を合わせれば火花を散らす二人。しかし、その裏には“誰にも言えない秘密の関係”があった。

ある日、誰にも知られていない旧校舎の自習室で一人勉強していた真北。そこへ現れたのは、なんと宿敵であるはずの何南だった。警戒する真北に、彼女が差し出したのは一枚のメモ用紙――そこから、甘く静かな“筆談”が始まる。

対立と秘密、言葉を交わさずとも心が通じていく――。素直になれないふたりの、もどかしくも愛おしいイチャイチャラブストーリーが幕を開ける。

詳細評価(5段階)

主人公:
周囲からの視線や生徒会長としての責任感を強く持ち、常に冷静に行動している。頭の回転も早く、ヒロインの行動にも気づける優秀さがある一方で、ラブコメ特有の鈍感さも兼ね備えており、読者のもどかしさを誘う。

ヒロイン:
表ではカリスマ的存在として慕われる総代だが、裏では主人公を翻弄する小悪魔的な一面を見せる。冷静さと感情的な一面のギャップが魅力で、可愛らしさが際立つヒロイン。

シナリオ:
イチャイチャ中心かと思いきや、学園イベントや周囲の動きが物語をテンポよく展開。ミステリーほどではないが「なるほど」と思わせるひねりもあり、満足度が高い。

気楽さ:
登場人物が多く、イベントや舞台も多岐にわたるため、感情の流れを追うのにやや集中力が必要。一方で会話中心のため読みやすさはある。

後味:
ラブコメとしての雰囲気は良いが、物語全体の進展は控えめ。
「導入編」として今後に期待を残す終わり方。

長さ:
ボリュームはほどよく、日常・イベント・ラブコメのバランスが取れている。1巻での満足感は十分得られる。

良かった点

タイトル通り、筆談によるやりとりが本作最大の魅力。直接の会話がない中でも、メモ用紙を使ったやり取りや表情・しぐさなどの描写によって、感情の機微がしっかり伝わってくる構成は秀逸で、読者をニヤニヤさせるには十分。

また、生徒会長と総代という立場上、公には対立関係を演じながら、裏で協力して問題を解決していく構図も非常に面白く、「ただのラブコメ」にとどまらない巧妙な構成が光っている。

気になった点

主人公は典型的な鈍感系モテ主人公であり、それがラブコメらしさを引き立てる反面、人によっては感情移入しにくいと感じるかもしれません。ヒロインを含め、複数のキャラクターから好意を持たれている描写も多めです。

また、物語の中盤以降に発生する“共通の問題”については、今後の展開に関わる重要な要素であるために描写されてはいるものの、やや倫理的にギリギリな印象を受ける部分もありました。物語としては成立していますが、「これって普通にアウトでは……?」と思ってしまう読者もいるかもしれません。

実際に読んで感じたこと

「筆談」という要素が珍しくて目を引かれ、そこから気になって購入しました。
実際に読んでみると、タイトル通りの筆談シーンがとても印象的で、声を交わさずに進むやりとりから感じ取れる感情の機微やイチャイチャ展開がとても新鮮でした。

また、登場人物が多く、それぞれが主人公に何らかの感情を抱いている構図になっているため、今後の展開にも期待が持てます。この状態でヒロインと明確にくっついたらどうなるのか――というドキドキ感が物語を最後まで引っ張ってくれました。

まとめ

甘いラブコメが読みたい方や、一風変わった関係性から始まる恋愛模様を楽しみたい方にはぴったりの一冊です。
筆談という静かなやり取りの中にも、しっかりと恋の駆け引きや感情の機微が描かれており、ニヤニヤしたい読者には特におすすめです。

また、生徒会と部活連合という対立構造を背景にしたストーリー展開も魅力で、単なるラブコメにとどまらないドラマ性も備えています。青春×秘密×恋愛が組み合わさった、次巻も期待したくなる作品でした。

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