『自分の事を主人公だと信じてやまない踏み台が〜』3巻感想|新ヒロイン続々!狂気と努力で道を切り開く

千代瀬

総合評価

※画像はTOブックス様より引用

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作品情報

  • タイトル:自分の事を主人公だと信じてやまない踏み台が、主人公を踏み台だと勘違いして、優勝してしまうお話です3
  • 著者:流石ユユシタ
  • イラスト:卵の黄身
  • 出版社:TOブックス

あらすじ

自分が“踏み台キャラ”として転生しているにもかかわらず、完全に自分こそが主人公だと信じてやまない少年・フェイ。
そのブレない“思い込み”による行動力と精神力は、もはや狂気の域に達しており——
その影響で、魅力的なヒロインから少し危ないヒロインまで、なぜかどんどん引き寄せてしまう。

シリーズ第3巻でも、ヒロインたちからの一方通行なラブコメ展開は健在。
さらには、複数の新規ヒロインも登場し、ますますフェイの周囲はにぎやかに、そしてややこしくなっていく!

“勘違い”の勢いだけで物語を突き進むフェイの暴走は、果たしてどこまで加速するのか——。

詳細評価(5段階)

  • 主人公:
    これまでと変わらず、自分を主人公だと信じて疑わない“狂人”フェイ。
    思い込みによる精神力だけで乗り切っていた以前に比べ、今作では地道な努力と自らを窮地に追い込む訓練の成果として、剣の腕や実戦経験も着実に積み上げてきており、並の騎士を凌駕するほどの実力を身につけつつあるのが印象的だった。
  • ヒロイン:
    今巻では新規ヒロインの登場や既存キャラの立ち位置整理、そしてイチャイチャ描写が比較的多めで、ラブコメ要素をしっかり楽しめた。
    特に以前から登場していたヒロインたちが、より積極的にフェイへ好意をぶつける場面が増えたことで、関係性の変化や進展も感じられた。
  • シナリオ:
    全体的にはキャラ紹介と修業を中心とした“準備回”といった印象で、ラブコメ要素が前面に出ていた。
    大きなストーリーの転換点は少なく、やや落ち着いた構成となっている。
  • 気楽さ:
    戦闘シーンが控えめで、ラブコメ中心の流れだったため、気楽に読み進めやすい1冊。
    ただし、新規キャラの登場が多く名前も複雑なため、少しだけ集中力を使う場面もあるかもしれない。
  • 後味:
    大きな展開はなく、日常パートの一区切りといった雰囲気で締めくくられており、良くも悪くも安定した読後感。
    この後の盛り上がりに期待したくなる内容だった。
  • 長さ:
    ボリュームは標準的で、1冊の読み物として過不足のない分量。
    内容の密度も特に薄くはなく、キャラ描写中心としてはちょうどよい印象。

良かった点

これまでのフェイは、“自分が主人公だと信じて疑わない”精神力のゴリ押しで乗り切ってきた場面が多かった印象ですが、
今巻ではついに、地道な努力が“実力”として現れてきた描写が多く見られたのがとても良かったです。

剣の腕前や戦闘センスなど、今まで培ってきた経験が形となって表れていく姿は、思い込みだけのキャラではないことを証明してくれたようで印象的でした。
今後も、これまで通りの勢いに加えて、実力での逆転劇が見られることに期待したいです。

気になった点

今巻では新規キャラが非常に多く登場し、そのほとんどがヒロイン枠に該当しているため、
人によっては名前や関係性を整理しながらでないと混乱してしまうかもしれません。

魅力的なキャラが増えるのは嬉しい反面、情報量が一気に増える巻でもあるので、シリーズを一気読みしていない場合や、間が空いてしまっている読者にとってはややハードに感じる可能性もあります。

実際に読んで感じたこと

今作でも、自分を主人公だと信じて疑わないフェイの思い込み行動によって、
本来であれば鬱展開の犠牲者となるキャラたちが救われていく構図がしっかり描かれていて、とても良かったです。

また、フェイが物語の主人公役を“奪ってしまっている”ようにも見える展開がある中で、
「本来の主人公がどう成長していくのか」という点についても作中で触れられており、
フェイが与えた影響によって物語がどう変化し、誰がどう成長していくのか、今後の展開にますます期待が膨らみました。

まとめ

シリーズ第3巻となる今作は、ラブコメ要素とキャラクター描写に比重を置いた構成で、
主人公フェイの“勘違い英雄譚”がさらに加速する内容となっていました。

精神力だけで突き進んできたフェイが、地道な努力によって実際に戦闘力や剣の腕を身につけていく描写は、まさに逆転劇として読んでいて爽快感がありました。
また、新たなヒロインたちの登場や既存キャラの掘り下げにより、ラブコメとしての厚みや華やかさも一層増しています。

一方で、登場キャラの数が一気に増えたことから、名前や関係性を把握するのに少し手間取る場面も。
とはいえ、それを上回る勢いとテンポの良さ、そして相変わらずの“踏み台勘違いムーブ”は健在で、
今後どんな事件や因縁をフェイが(意図せず)解決していくのか、引き続き楽しみになる一冊でした。

👉TOブックス様公式サイトはこちら

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<前巻のレビュー>
👉『自分の事を主人公だと信じてやまない踏み台②』はこちら

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