『学園の三大美少女様を昔助けたのが俺だとバレた。それから彼女達の様子がおかしくなった』感想|ヒロインの“重くない一途さ”が絶妙!
総合評価

※画像はSBクリエイティブ様(GA文庫様)より引用
👉学園の三大美少女様を昔助けたのが俺だとバレた。それから彼女達の様子がおかしくなったをAmazonで見る
作品情報
タイトル:学園の三大美少女様を昔助けたのが俺だとバレた。それから彼女達の様子がおかしくなった
著者: 楓原こうた
イラスト: みんとあいす
出版社: SBクリエイティブ(GA文庫)
あらすじ
かつて通りすがりに助けた少女たち――
しかし主人公、入江司(いりえ つかさ)にとっては、それは思い出したくもない“黒歴史”だった。
だがある日、「学園の三大美少女」と称される少女たちが、次々と彼の前に現れ始める。
「あなた…もしかして、あの時の…?」
一人、また一人と、司の“過去”に気づいていく美少女たち。
その態度は、かつての凛々しさや距離感とは打って変わって、妙に近く、妙におかしい。
助けた記憶が少女たちの中で深く刻まれていたことで、
彼女たちの行動は次第に予想外な方向へと加速していく――!
鈍感系主人公 × 一途ヒロインたちが織りなす、
じわじわと距離が縮まる“ちょっと変な学園ラブコメ”、ここに開幕!
詳細評価(5段階)
- 主人公:
ハイスペックながら誠実さに欠ける言動が目立ち、共感しづらかった。 - ヒロイン:
一途さと個性が際立っており、魅力的に描かれている。 - シナリオ:
過去バレが早すぎて、ドラマ性の盛り上がりに欠けた印象。 - 気楽さ:
軽妙なやりとりとテンポの良さで、読みやすいラブコメ。 - 後味:
主人公の受け身さが残念。続きが気になる構成で終わる。 - 長さ:
内容が詰め込み気味で、やや駆け足な展開が惜しかった。
良かった点
まず、ヒロインたちの“キャラの立ち方”が非常に良かったです。
三大美少女という設定ながら、それぞれがただの美人枠にとどまらず、主人公への執着心や行動に個性が出ていて印象的でした。
また、全体的にテンポがよく、会話の掛け合いも軽妙。ラブコメとしてサクサク読める点は好印象です。
一人ひとりのヒロインが違うアプローチで攻めてくるため、「次はどんな方法で来るのか」と読み進める楽しさもありました。
気になった点
主人公の言動がやや一貫性に欠け、特にヒロインたちの積極的なアプローチに対する反応が「都合よく鈍感」と感じる場面が多々ありました。
せっかくハイスペックな設定があるにもかかわらず、言動に誠実さが乏しく、キャラとしての魅力がやや薄れてしまっている印象です。
また、ヒロインたちの“正体バレ”が一気に進む展開だったため、個々のドラマにじっくり浸る間がなく、詰め込み感が強くなってしまっていました。
一人ずつ丁寧に描いていれば、より感情移入しやすかったかもしれません。
実際に読んで感じたこと
この本はまず、表紙絵に惹かれて購入しました。
挿絵のクオリティも高く、キャラクターの魅力をしっかり引き立ててくれていたのが印象的です。
内容としては、過去の出来事がヒロインたちの心に深く残っており、その記憶をきっかけに主人公にアプローチしてくるという、よくある構成のラブコメです。
ただ、現在の主人公・入江司の描き方には少し違和感もありました。
勉強もできて、料理もできるというハイスペックな設定はあるものの、言動に誠実さが感じられず、正直なところ“好きになる要素”があまり見つかりませんでした。
ヒロインを助けるための行動も、善意というより独善的な判断に見えてしまう場面があり、モヤモヤが残りました。
もし彼が“みんなのヒーロー”として描かれる存在ならば、その後ももう少し誠実で一貫した行動をとってくれると、物語として納得感が増したかもしれません。
まとめ
『学園の三大美少女様を昔助けたのが俺だとバレた。それから彼女達の様子がおかしくなった』は、
一風変わった“好意の向けられ方”が特徴的なラブコメとして、ヒロインたちの個性と行動が印象に残る作品でした。
テンポが良く読みやすい一方で、主人公の言動には疑問が残る場面もあり、
ラブコメとしては楽しめるものの、「もう少し感情移入したかった」と感じる読者もいるかもしれません。
それでも、ヒロインの描き方や挿絵の完成度は非常に高く、
“推しヒロイン”を見つけて楽しむには十分な魅力があります。
個人的には主人公の描写や行動を重視して読むタイプなので、総合評価はやや下寄りになりましたが――
一途なヒロインものや、テンポ重視の学園ラブコメが好きな方にとっては、
気軽に読める一冊としておすすめできる内容でした。
👉SBクリエイティブ様(GA文庫様)公式ページはこちら
👉学園の三大美少女様を昔助けたのが俺だとバレた。それから彼女達の様子がおかしくなったをAmazonで見る