【感想・レビュー】異世界のんびり農家3巻|穏やかな村の発展と新キャラ登場!
総合評価

※画像はKADOKAWA様公式サイトより引用
作品情報
タイトル:異世界のんびり農家 03
著者:内藤騎之介
イラスト:やすも
出版社:KADOKAWA
あらすじ
前巻に引き続き、新たな種族が加わり村のにぎわいが増していく「大樹の村」。天使族の中でも高位の存在が来訪し一触即発の空気になったり、温泉開拓のために山へ向かったりと、主人公ヒラクのまわりは相変わらず“のんびりだけど騒がしい”日々が続く。
気づけば村は小国レベルの規模に発展し、多種多様な種族が平和に共存する理想郷へと成長を遂げていく。スローライフのはずが、事件と笑いの絶えない異世界開拓物語、第3巻!
詳細評価(5段階)
主人公:
ヒラクは相変わらずマイペースで、周囲に流されず自分のペースを保つスタイルが健在。自分が中心になっているという自覚が薄いまま、結果的に周囲を引き寄せてしまう“天然リーダー”としての魅力がますます光る。派手さはないが、だからこそ安心して見ていられる存在。
ヒロイン:
ルーやティアなどおなじみのヒロインたちが安定の存在感を放つ中、新たな種族や女性キャラの登場もあり賑やかさが増している。ラブコメ的な側面よりも「家族」や「仲間」としての絆が前面に出ており、心温まる描写が多め。
シナリオ:
大きな事件やバトルがあるわけではないが、村の発展や新たな出会いを通じて物語がしっかりと進展していく。温泉開拓や天使族との緊張感ある場面も織り交ぜられ、スローライフながら退屈さを感じさせない工夫がある。
気楽さ:
緊張感のある場面もあるが、基本的には安心して読めるスローライフ系作品。村の問題も大ごとにならず、平和的に収まる展開が多いため、心穏やかに読める一冊。気軽に“癒し”を求めたい人にぴったり。
後味:
ほっこりした気分で読了できる、いつも通りの安心設計。村の成長と住人たちの仲の良さに癒される。次巻でさらにどんな発展があるのか気になるような、余韻を残す終わり方も○。
長さ:
1巻ごとに描かれる出来事はそれなりに多いが、テンポはゆったり。慣れていない人には少し長く感じるかもしれないが、シリーズを追っている人なら安定感のあるボリューム。
良かった点
町(村)がどんどん発展していく過程を見守るのが、今巻もやはり楽しい。
温泉開拓、新たな来訪者の登場、施設の増加など、読者もまるで村の一員になったような気持ちで読める構成が魅力的。
また、視点が主人公ヒラクだけでなく、周囲のキャラにも切り替わることで「ヒラクがどう思われているのか」「この村での暮らしがどう感じられているのか」が丁寧に描かれており、読者としても安心感や親近感を持って物語に入り込める。
気になった点
基本的にのんびりとした雰囲気で進む本作だが、今回もイベントが多く、村の発展スピードがやや早すぎる印象を受ける場面があった。
もう少し一つひとつのエピソードをじっくり描写してほしいと感じる読者もいるかもしれない。
また、キャラが増えすぎてきたこともあり、名前と種族・立ち位置を把握するのがやや大変。シリーズを追っている読者でも、時折「誰だっけ?」となる可能性がある点はやや注意が必要。
実際に読んで感じたこと
町が発展していく様子を見るのが好きな私は、今作も変わらず楽しめました。新しい施設や新住民が加わるたびに「次は何ができるんだろう」とワクワクさせられます。
ただ、ドキドキ・ハラハラの緊迫した展開を求めている読者にとっては、少し物足りなく感じるかもしれません。
本作はあくまで“のんびりとした異世界ライフ”を楽しむタイプの作品なので、そうした雰囲気が合う人にはぴったりです。
今回は新たな天使族の子も登場し、また一人、村に魅力的なキャラが加わりました。キャラ同士の掛け合いがさらに楽しくなってきているので、今後も楽しみなシリーズです。
まとめ
村づくりスローライフ系の魅力がぎゅっと詰まった第3巻。
大きなバトルや事件はありませんが、だからこそ日常の積み重ねが心地よく、読めば読むほどこの世界に浸りたくなる1冊でした。
新キャラの登場や、少しずつ広がっていく村の規模、そして住民たちの穏やかな暮らし。
ゆっくりと進んでいく物語の中に、確かな温かさと安心感があります。
日々の喧騒から少し離れて、ほっこりした読書時間を過ごしたい方におすすめのシリーズです。