ラノベ

『生意気で神絵師の幼なじみが、俺に逆らえなくなってきている』感想|気楽に楽しめるクリエイター系ラブコメ

千代瀬

『生意気で神絵師の幼なじみが、俺に逆らえなくなってきている』を読みました。
とある事情からラノベ作家を続けられなくなった主人公が、幼なじみの“神絵師”に売り言葉に買い言葉で「絵で勝つ」と言ってしまったことから、イラストの世界に踏み出していく1冊です。

クリエイターものの題材ではありますが、難しすぎる方向には寄らず、二人のヒロインが主人公をめぐって動く王道のラブコメとしてかなり読みやすくまとまっていました。
ネタバレは控えめに、購入判断の材料になるよう「合う/合わない」も含めてまとめます。

結論:この本は「買い」か?

結論:買い寄り。総合評価は

クリエイターものの題材を使いながらも、読み味としては一般的なラブコメとしてかなり入りやすい作品でした。
二人のヒロインが主人公をめぐって動く構図もわかりやすく、現実にありそうなシチュエーションの中で話が進むので、気楽に楽しみやすいです。

一方で、メインヒロインの口の悪さはかなり好みが分かれそうで、少し不愉快に感じるキャラが出る点も人を選ぶと思います。
また、主人公は努力家で好ましい反面、ヒロイン二人への姿勢だけは少し曖昧で、そこにモヤっとする部分もありました。

気になった方は、まずは試し読みで雰囲気を確認してみてください。

作品情報

タイトル:生意気で神絵師の幼なじみが、俺に逆らえなくなってきている
著者:二宮 酒匂
イラスト:うなさか
出版社:富士見ファンタジア文庫(KADOKAWA)

公式あらすじ(要点)

売れないラノベ作家だった主人公・有馬十郎には、いつも自分を小馬鹿にしてくる幼なじみがいます。
それが、神絵師として周囲から崇められている菅木明日葉です。

ある事情から執筆を続けられなくなった十郎は、酒の席での売り言葉に買い言葉から、明日葉に「絵で勝つ」と宣言してしまいます。
そこから新たに絵の道へ進むことを決意し、彼女を追い抜けるような絵描きを目指して動き出します。

もともとは到底届かない相手だったはずですが、十郎は急激に成長していき、明日葉も少しずつ余裕を失っていくことに。
実力で幼なじみを見返そうとする主人公と、そんな彼を意識し始めるヒロインの関係が描かれる、クリエイター系ラブコメです。

あらすじ

とある事情からラノベ作家を続けられなくなった主人公・有馬十郎は、ある酒の席での売り言葉に買い言葉から、幼なじみで“神絵師”として知られる菅木明日葉に「絵で勝ってやる」と言ってしまいます。
そこから十郎は、新しくイラストの世界へ踏み出すことになります。

最初は到底かなわない相手に見えたものの、十郎は絵を描く面白さにのめり込み、急速に成長していきます。
ただ、相手は長い時間をかけて実績を積み上げてきた存在でもあり、簡単に追いつけるわけではありません。

それでも十郎は、自分がラノベ作家として培ってきた経験や発想を活かしながら、少しずつ前へ進んでいきます。
そして、いつも余裕たっぷりに挑発してくる明日葉との関係にも、少しずつ変化が生まれていくことに。

絵を描く面白さと、実力差のある幼なじみとの張り合い、そしてラブコメの距離感が合わさった1冊です。

向いてる人/向いてない人

向いてる人

・一般的なラブコメとして楽しみたい人
・二人のヒロインが主人公を取り合う構図が好きな人
・現実にありそうなシチュエーションのラブコメが好きな人
・解決の持っていき方に納得感が欲しい人

向いてない人

・メインヒロインの口の悪さが気になる人
・不愉快なキャラが出るのが苦手な人

ここまで読んで「自分に合いそう」と思った方は、こちらからどうぞ。

詳細評価(5段階)

主人公:

ラノベ作家としての経験を活かしながら、新しくイラストの世界に踏み出していく流れがよかったです。
物言いや行動は比較的はっきりしていて、努力家として好感を持ちやすい主人公でした。

一方で、ヒロイン二人への姿勢だけは少し曖昧に見える部分があり、そこはややモヤっとします。
それ以外の面では前向きに動ける主人公だからこそ、ラブコメ面でのはっきりしなさが少し気になりました。

ヒロイン:

メインヒロインは口が悪めではあるものの、その強気な距離感がこの作品のラブコメらしさにもつながっています。
加えて、二人のヒロインが主人公をめぐって動く構図がわかりやすく、ラブコメとしての楽しさはしっかりありました。

シナリオ:

クリエイターものの題材を使いながらも、難しくなりすぎず、ラブコメとして読みやすくまとまっていました。
現実にありそうなシチュエーションの中で話が進み、解決の持っていき方にも納得しやすかったです。

気楽さ:

重すぎる方向には寄りすぎず、一般的なラブコメとして楽しみやすい作品でした。
題材は創作寄りですが、専門的すぎず、気軽に読み進めやすいです。

後味:

読後感は素直によく、ラブコメとしての続きを見たくなる終わり方でした。
大きな衝撃というより、キャラ同士の関係がどう進むのかを次巻でも追いたくなるタイプの後味です。

長さ:

テンポよく読めて、全体としてちょうどよい長さに感じました。
長すぎず短すぎず、ラブコメとして読みやすいボリュームです。

良かった点

本作でよかったのは、クリエイターものの題材を使いながらも、難しくなりすぎず、ラブコメとして素直に楽しめる形にまとまっていたことです。
主人公はラノベ作家を続けられなくなったところから、売り言葉に買い言葉でイラストの世界に踏み込むことになりますが、そこから絵を描く面白さにのめり込み、少しずつ成長していく流れが読みやすかったです。単なる急成長ものではなく、ラノベ作家として積み重ねてきた経験が活きているのもよく、主人公なりに食らいついていく姿が見やすかったと思います。

また、二人のヒロインが主人公をめぐって動くラブコメとしてのわかりやすさも魅力でした。
特にメインヒロインは口が悪く、生意気な距離感を崩さないタイプですが、それが逆にこの作品らしい掛け合いや空気感につながっています。現実にありそうなシチュエーションの中で話が進み、解決の持っていき方にも納得しやすかったので、一般的なラブコメとしてかなり入りやすい1冊でした。

気になった点

一方で気になったのは、メインヒロインの口の悪さがかなり強めに出る場面があることです。
設定上の理由はあるものの、言い方そのものはかなりきつく見えるところもあるので、そこをかわいさとして受け取れるかどうかで印象は変わりそうです。ツンの強いヒロインが好きなら問題ないと思いますが、やさしめの空気感を求める人には少し引っかかるかもしれません。

また、明確な敵役ではないものの、読んでいて少し不愉快に感じるキャラが出ることも好みが分かれそうでした。
作品全体の楽しさを大きく損なうほどではないものの、気持ちよく読んでいるところで少し引っかかる場面はあります。そのため、ラブコメとしてはかなり読みやすい一方で、ヒロインの強い物言いや不快寄りの人物描写が苦手な人には少し合わない部分もある作品だと感じました。

実際に読んで感じたこと

読んでいて感じたのは、この作品はクリエイターものの題材を使いながらも、しっかり一般的なラブコメとして楽しめるバランスにまとまっているということです。
イラストや創作の話が軸にはありますが、専門的な話に寄りすぎるわけではなく、主人公とヒロインたちの距離感や掛け合いを中心に読み進めやすかったです。

また、主人公がラノベ作家としての経験を活かしながら、新しい分野であるイラストに挑んでいく流れもよかったです。
最初から何でもできるわけではなく、それでも絵を描く面白さにのめり込み、少しずつ前に進んでいくので、成長ものとしても見やすい印象がありました。
現実にありそうなシチュエーションの中で話が進むこともあって、解決の持っていき方にも納得しやすかったです。

その一方で、やはりメインヒロインの口の悪さはかなり好みが分かれそうだと感じました。
設定を踏まえれば理解はしやすいのですが、言い方だけ見ると強めなので、そこをラブコメらしい味として楽しめるかどうかで印象は変わりそうです。
さらに、敵役とまではいかなくても少し不愉快に感じるキャラが出るので、そこも気になる人はいるかもしれません。

それでも全体としては、二人のヒロインが主人公をめぐって動く王道のラブコメとしてしっかり読みやすく、題材の面白さも活きていた1冊でした。
重すぎず、一般的なラブコメとして気楽に楽しみたい人にはかなり合いやすい作品だと思います。

まとめ

結論:買い寄り/総合評価:
・クリエイターものの題材を使いながらも、一般的なラブコメとしてかなり読みやすい
・二人のヒロインが主人公をめぐって動く構図がわかりやすい
・メインヒロインの口の悪さや、不愉快に感じるキャラは好みが分かれそう
・主人公は努力家で好ましいが、ヒロイン二人への姿勢は少し曖昧でモヤっとする部分もある

『生意気で神絵師の幼なじみが、俺に逆らえなくなってきている』は、クリエイターものの題材を使いながらも、一般的なラブコメとしてかなり読みやすくまとまった1冊でした。
イラストという題材を扱いつつも、難しすぎる方向には寄らず、主人公の成長やヒロインたちとの距離感を素直に楽しめるのが魅力です。

それでも全体としては、現実にありそうなシチュエーションの中で、気楽に楽しめる★4のラブコメとして十分おすすめしやすい作品です。
クリエイターものに興味がある人はもちろん、一般的なラブコメとして読みたい人にも合いやすい1冊だと思います。

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