『クズレス・オブリージュ3』感想|魔法学院編で加速する勘違い劇とクラス別対抗戦
総合評価

※画像はKADOKAWA様公式サイトより引用
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作品情報
タイトル:クズレス・オブリージュ 18禁ゲー世界のクズ悪役に転生してしまった俺は、原作知識の力でどうしてもモブ人生をつかみ取りたい2
著者:アバタロー
イラスト:kodamazon
出版社:角川スニーカー文庫(KADOKAWA)
あらすじ
クズの悪役に転生してから3年。
ついに魔法学院に入学する年齢となったウルトス。
表舞台には立たず、地味に生き延びる「モブ人生」を目指していたが、無意識のうちにヒロインたちの好感度を上げてしまうのは相変わらず。真の主人公のことや、この世界の「普通」を勘違いし続け、ますます“凡人”からはかけ離れていく。
そんな中、ゲームでも重要イベントだった「クラス別対抗戦」が迫っていた――。
詳細評価(5段階)
主人公:
地味に生き延びたいと願うウルトスだが、無意識にヒロイン好感度を上げてしまう勘違いっぷりは健在。今作ではただ巻き込まれるだけでなく、自らヒロインを助けに行動したのが良かった。
ヒロイン:
ヒロインがますます増えてきて魅力的な子が多い。一人ひとりがウルトスに対する印象を異にしているのも面白く、それぞれの思い描くウルトス像に沿って行動しているのに、奇跡的に噛み合ってしまう展開が楽しめた。
シナリオ:
舞台が魔法学院に移り、ゲームでお馴染みの「クラス別対抗戦」イベントが展開。転生ものらしい“お約束”を踏まえつつ、ウルトスの勘違い行動が新鮮さを与えている。相変わらず主人公が強すぎる面はあるものの、敵サイドの心情まで描かれていて、とても楽しめた。
気楽さ:
基本はコメディ寄りで気軽に楽しめる。学院生活やイベント要素が加わったことで、前巻まで以上に読みやすい雰囲気。
後味:
対抗戦を通じてキャラクター関係がさらに深まり、今後への期待を残す展開。大きな衝撃を残しながらも一区切りがついており、満足感のある読後感だった。
長さ:
学院編に入ったことで情報量は増えたがテンポは維持され、読みやすい。欲を言えば、対抗戦の描写をもう少し掘り下げてほしかった。
良かった点
この作品特有の魅力として、ヒロイン一人ひとりが主人公ウルトスに対して抱いている印象が異なり、その食い違いが物語の面白さを掻き立てている。
また、ウルトスは基本的に自分第一で行動しているものの、目の前で不幸になりそうな人には自然と手を差し伸べる優しさもあり、そのギャップが好印象だった。
気になった点
勘違いがこの作品の大きな魅力である一方で、展開によってはやや無理があると感じる場面もあった。
勢いとして楽しめる部分ではあるが、もう少し自然に繋がる描写があれば、より納得感を持って読み進められたと思う。
実際に読んで感じたこと
魔法学院編に突入し、新たな舞台での勘違いコメディがさらにパワーアップしていた。
ヒロインが増えたことでウルトスに対する見方の違いが際立ち、各キャラの思惑が交錯するのが面白かった。
また、ウルトス自身は地味に生きたいだけなのに、周囲からはますます注目されていく展開が痛快で笑える。
一方で、勘違いの強引さを感じる場面もあったが、それを含めて本作らしいテンポと勢いが魅力になっていた。
まとめ
『クズレス・オブリージュ 3』は、魔法学院編に突入し、舞台が広がることで物語の面白さがさらに増した巻だった。
ウルトスは相変わらず“地味に生きたい”と願いながらも、無意識の行動で周囲の評価を上げ、ヒロインたちの好感度を稼いでしまう。
ヒロインごとに異なるウルトス像を抱きながらも、なぜか奇跡的に噛み合っていく掛け合いが本作ならではの魅力。
勘違いの強引さに少し違和感を覚える部分もあるが、テンポの良い展開と対抗戦イベントの盛り上がりで最後まで楽しめた。
続巻では、この学院編の先に待つさらなる勘違い劇とキャラ同士の関係性の深まりに期待したい。
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<前巻のレビュー>
クズレス・オブリージュ②を見る