『僕を成り上がらせようとする最強女師匠たち』3巻感想|“格違いの敵”に向けた修行が熱い

千代瀬

総合評価

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作品情報

  • タイトル:僕を成り上がらせようとする最強女師匠たちが育成方針を巡って修羅場2
  • 著者:赤城大空
  • イラスト:タジマ粒子
  • 出版社:ガガガ文庫(小学館)

あらすじ

《無職》のクロスが、貴族の子女カトレアを退けた――その噂は街バスクルビアに広がり、彼は一気に注目の的となります。折しも街は名物の「喧嘩祭り」の季節。腕自慢の猛者たちで賑わう裏側では、貴族の各派閥が有望な新人を自陣へ引き込もうと暗躍し、空気はどこかきな臭くなっていきます。
そんな中、カトレアの敗北で面子に傷がついた三大勢力の一角・ディオスクレイブ派は、クロスを密かに潰そうと画策します。こうしてクロスは、上級職の名を冠する貴族・ギムレットとの決闘を余儀なくされることに。これまでとは格の違う相手を前に、クロスは師匠たちのもとで“遙かなる高み”を目指す新たな修行へと踏み込んでいきます。
さらに今巻では、クロスを理想の伴侶に育てようとする三人の女師匠たちも相変わらず大暴れ。修行と実戦、そして周囲の思惑が交錯する中で、最弱から最強へ駆け上がるクロスの成長は加速していきます。戦うべき相手が明確なまま、修行の先にある激戦へ向けて物語が一直線に進んでいく第3巻です。

詳細評価(5段階)

主人公:
3巻になっても冒険者学校内での立ち位置は決して高くないのに、実戦では誰にも負けない強さを見せるクロスがとても良かったです。それでも驕らず、師匠たちの教えを愚直に守って努力し続ける姿勢が一貫していて、読んでいて素直に応援できます。予想外の状況でも気合いと判断力で臨機応変に戦える応用力があり、「才能+根性」だけでなく“地に足のついた強さ”になっているのが好印象でした。

ヒロイン:
クロスの強さと優しさが周囲にも伝わってきたことで、好意を寄せるヒロインが増えていく流れが楽しかったです。最初は仲違いしていたジゼルとも、ちゃんとラブコメとして“いい感じ”になっていくのが嬉しいポイントでした。今巻で焦点が当たるのは、回復・補助・妨害魔法のプロである三人目の師匠テロメアで、かなり大人なお姉さん系のキャラですが、戦闘の組み立て方や考え方には納得感があり、単なる色気要員で終わらないところが良かったです。

シナリオ:
今巻も「最初に戦うべき相手が提示され、そこへ向けて修行していく」という構造が綺麗で、相変わらず自分の好みに刺さりました。しかも今回は物理や攻撃魔法ではなく、回復・補助・妨害の師匠が中心になるため、「どうやって強敵に立ち向かうのか」が読んでいて純粋に気になります。修行の積み上げがそのまま戦闘の説得力につながっていて、激しいバトルの中でも“クロスらしい戦い方”が決まるのが爽快でした。シリーズとしての満足度が高く、読後に「今回は当たり回だな」と思える内容でした。

気楽さ:
巻数が進んでいる作品ですが、冒頭にキャラ紹介が用意されているので、最低限そこを押さえればこの巻からでも読める配慮があるのは助かります。過去巻のキャラも多数登場するため、より深く楽しむなら前巻までを読んだ方が良いのは確かですが、状況説明やスキルの説明も適度に挟んでくれるので置いていかれにくい印象です。シリアスになりすぎず、テンポよく修行と実戦が進むので、気楽に読み進めやすい続刊でした。

後味:
物語としての満足感は高く、クロスが少しずつ“無力な少年”から“周囲を動かす存在”へ変わっていく手応えがあります。ヒロインだけでなく、貴族側の人間関係にも影響を与え始めているのが面白く、成り上がり感がしっかり出てきました。一方でラストには爆弾が投下され、続きが気になる形で終わるため、良い意味で「次巻を読みたくなる」後味になっています。スッキリしつつも、興味を持続させる締め方でした。

長さ:
ページ数は標準的ですが、日常・修行・戦闘が丁寧に描かれているので体感としてはしっかりボリュームがあります。修行パートが単なる繋ぎではなく、戦闘の説得力やキャラの関係性に直結しているため、読んでいて“積み上げ”を感じられるのが良かったです。テンポも悪くなく、読了後に「ちゃんと一冊分の満足感がある」と思える長さでした。

良かった点

今巻も「戦うべき相手が最初に示され、そこへ向けて修行していく」という構造が非常に分かりやすく、積み上げがそのまま面白さに直結していました。特に今回は回復・補助・妨害魔法の師匠テロメアが中心になることで、単純な火力勝負ではない“勝ち筋”が見えてくるのが新鮮です。修行で得た発想が実戦で噛み合った瞬間の爽快感が強く、クロスの戦い方がより「らしく」洗練されていく手応えがありました。加えて、ヒロインたちとの距離感も少しずつ変化していて、ジゼルとのラブコメが自然に進んでいくのも嬉しいポイントです。

気になった点

巻数が進んでいる分、登場人物や勢力が増えていて、久しぶりに読むと名前や関係性の把握に少しエネルギーが要るかもしれません。冒頭のキャラ紹介で最低限のフォローはありますが、過去巻の人物がさらっと出てくる場面も多いため、できれば前巻までの流れを押さえておくと安心です。また、クロスの成長が気持ちいい反面、周囲の評価や好意が一気に集まる展開が続くので、この“持ち上げ”のテンポが合わない人には好みが分かれる可能性はあります。それでも本作は最初から「成り上がり」と「育成(過保護含む)」が売りのシリーズなので、味として楽しめるなら問題ない範囲だと思いました。

実際に読んで感じたこと

第3巻は、クロスがただ強くなるだけではなく、「どう勝つか」「どう生き残るか」という戦い方の質が変わってきた巻だと感じました。回復・補助・妨害という一見地味になりがちな領域を、修行と実戦でしっかり“強さ”として見せてくれるので、読みながら納得できます。クロス自身も驕らず努力を続け、師匠たちの教えを咀嚼して自分の戦闘に落とし込んでいく姿が好印象で、応援したくなる主人公像がブレていませんでした。そしてラストの一手で、続刊への興味が一気に引っ張られる作りになっているのも上手いと思います。

まとめ

『僕を成り上がらせようとする最強女師匠たちが育成方針を巡って修羅場 ③』は、成り上がりと修行の面白さをシリーズらしくしっかり維持した続刊でした。今回は回復・補助・妨害魔法の師匠テロメアが中心となり、力押しではない“勝ち筋”を作っていく流れが新鮮で、戦闘の満足度も高いです。クロスの愚直な努力と応用力が気持ちよく描かれ、ラブコメ面でもヒロインとの関係が少しずつ進展していくのが楽しい一冊でした。続きが気になる引きも強く、シリーズを追っている読者には安心しておすすめできる第3巻です。

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<前巻のレビュー>
僕を成り上がらせようとする最強女師匠たちが育成方針を巡って修羅場②はこちら

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