処刑回避なのに英雄扱い!? 『やり直し悪徳領主は反省しない！』感想レビュー
千代瀬
千代瀬の冒険
お前ら早く結婚しろよっ！１ 感想・レビュー｜好感度MAXから始まる学園ラブコメ
千代瀬
総合評価
※画像はKADOKAWA様より引用
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作品情報
タイトル：お前ら早く結婚しろよっ！１ そう言われてる女子が3人いるんですけど？
著者：優汰
イラスト：まるろ
出版社：MF文庫J（KADOKAWA）
あらすじ
主人公・田中莉太は、ラブコメが大好きな普通の高校生。
誰にも言わずに、こっそりWEB小説サイトへ自作のラブコメ作品を投稿するのが日課だった。
ある日、自分の作品に書き込まれた感想を見て驚く。
「お前ら早く結婚しろよ」
──しかも、その感想のシチュエーションが、現実の自分にも当てはまっていたのだ。
実際に「お前ら早く結婚しろよ」と言われた状況に心当たりのあるヒロインが、なんと３人もいた！？
自分はモテないと思い込んでいた莉太だが、好意を隠さない彼女たちの存在により、関係は大きく動き出していく。
詳細評価（5段階）
主人公：
ラブコメ好きという設定に親近感が持てる主人公。自分をモテないと思い込んでいるため、ヒロインたちの好意が露骨でも気づかない鈍感さが目立つ。物語の軸が「感想を書いたのは誰か」という推理要素に寄っていて、「自分が好きなのかどうか」に注目する描写が少なめなのはマイナス。
ヒロイン：
3人とも「結婚候補」というインパクトある立ち位置で、タイプの違いによる掛け合いが楽しい。好意を隠さないストレートさが魅力的で、まだ1巻ながらも続巻での深掘りが期待できる。特に「相手の好意が露骨なのにバレていない」と思っている姿は可愛らしく、読者をニヤニヤさせてくれる。
シナリオ：
WEB小説の感想をきっかけに「犯人探し」のように物語が進むのはユニーク。展開自体は王道の学園ラブコメで安心感があり、読みやすさも十分。3人中2人はアプローチがかなり強く、それでも気づかない主人公の鈍感さはご都合的だが、この作品の味ともいえる。
気楽さ：
シリアス要素はほとんどなく、ギャグとラブコメの掛け合いで軽快に進む。テンポもよく、気楽に楽しみたい読者向け。
後味：
1巻としての役割をきちんと果たしつつ、ヒロイン3人との関係性が今後どう変化していくかを期待させる構成。謎を残しつつ物語が動き始めたところで終わるので、続きが気になる余韻が残る。
長さ：
標準的な文量でテンポよく読める。やや駆け足に感じる部分もあるが、ヒロイン視点の心情描写も挟まれており、ラブコメとしての面白さをしっかり補強している。
良かった点
3人のヒロインがそれぞれ主人公に特別な感情を抱いているのがしっかり描かれているのが魅力的。
当初は「目立たない主人公だから大丈夫」と安心していたヒロインたちが、恋のライバルの存在を知ったことで積極的にアプローチし始める展開は盛り上がりどころ。
また、相手を蹴落とそうとするのではなく、「自分を選んでほしい」という素直な気持ちを表すアプローチなのも好感が持てた。
気になった点
物語が始まった時点でヒロインたちの好感度がすでに高いため、「徐々に恋を深めていく展開」が好きな読者には物足りないかもしれない。
また、主人公の関心が「感想を書き込んだのは誰か？」という犯人探しに寄っていて、恋愛において自分がどうしたいのかという主体的な動きが薄いのはやや残念。
実際に読んで感じたこと
タイトルを見たときは「すでに結婚間近の二人の物語なのかな」と想像していましたが、良い意味で予想を裏切られました。
ヒロインたちの思いが積み重なり、さらにライバルの登場で「動かないといけない」と物語が進んでいく流れは、テンポよく次の展開が気になる構成でした。
一方で、ヒロインたちがなぜ主人公を好きになったのかという過去のエピソードが薄めに感じられたので、今後の続巻や回想で描かれることを期待したいです。
まとめ
『お前ら早く結婚しろよっ！１』は、WEB小説の感想をきっかけにヒロイン3人との関係が一気に動き出す学園ラブコメ。
最初から好感度MAXの状態で始まるため、ストレートに好意をぶつけ合うヒロインたちのやり取りが最大の魅力です。恋のライバルの存在もあり、彼女たちの積極的なアプローチにニヤニヤさせられる展開が続きます。
一方で、主人公が恋愛よりも「感想を書いた犯人探し」に意識が向いている点や、ヒロインがなぜ惚れたのかが薄めに描かれているのは気になる部分。ただし、これは今後の続巻で描かれる余地でもあり、期待感につながります。
学園ラブコメが好きな人、ヒロインたちに囲まれて賑やかな展開を楽しみたい人にはおすすめの作品です。
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