『俺は星間国家の悪徳領主！①』感想｜悪徳を目指す名君！？勘違いと善意が生むズレが面白い一冊
千代瀬
千代瀬の冒険
『才女のお世話①』感想｜完璧なお嬢様の素顔と、庶民男子が支える優しい関係
千代瀬
総合評価
※画像はHJ文庫様より引用
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作品情報
タイトル：才女のお世話① 高嶺の花だらけな名門校で、学院一のお嬢様（生活能力皆無）を陰ながらお世話することになりました
著者：坂石遊作
イラスト：みわべさくら
出版社：HJ文庫
あらすじ
男子高校生・友成伊月は、ひょんなことから誘拐事件に巻き込まれ、日本屈指の財閥令嬢・此花雛子のお世話係を任されることに。
誰もが憧れる完璧なお嬢様――そう見える雛子だが、実は人の目が届かない場所ではぐうたらなお嬢様だった。
それでも家の事情から、学院では「才色兼備の完璧なお嬢様」を演じなければならない。
そんな彼女を支えようと奮闘する伊月。いつしか二人の間には、主従を越えた温かな絆が芽生えていく。
ツンとした外面と甘えん坊な素顔、ギャップが愛らしいお嬢様との青春お世話ラブコメディ。
詳細評価（5段階）
主人公：
庶民的で真面目な性格の伊月は、誰に対しても誠実で優しい。
お嬢様に振り回されながらも努力を重ねる姿が好印象。
ただ従うだけでなく、自分がおかしいと感じたことはきちんと貫くため、今後もトラブルを起こしそうな一面もある。
ヒロイン：
此花雛子は“完璧なお嬢様”と“ぐうたらな素顔”のギャップが最高。
外では堂々としているのに、家では甘えてくる姿がとても可愛い。
わがままさよりも愛嬌が勝っており、読者を惹きつけるヒロイン像に仕上がっている。
メイン以外にも魅力的なヒロインが登場し、今後の展開にも期待が持てる。
シナリオ：
「庶民男子×お嬢様」という王道設定ながら、テンポの良い会話と丁寧な心理描写で飽きさせない。
学園内でのお世話シーンや日常描写のバランスも良く、優しい雰囲気でまとまっている。
後半のイベントにはやや不快感のある展開もあったが、全体としては十分楽しめる内容だった。
気楽さ：
主人公の生い立ちは軽く触れられる程度だが、実は重いハンデを背負っている。
それでも伊月自身がハイスペックなため、途中からは安心して読める。
一方で、大企業間のメンツや権力関係といった“大人の事情”も絡み、
今後は力関係の描写に少し戸惑う場面があるかもしれない。
それでもラブコメとしての癒やし要素が強く、肩の力を抜いて楽しめる一冊。
後味：
ヒロインの感情の移り変わりが丁寧に描かれ、読後は心地よい満足感が残る。
メイン以外のヒロインたちにもそれぞれ問題があり、次巻での掘り下げが期待される終わり方。
長さ：
1巻として適度なボリューム。テンポはややゆっくりだが、会話の掛け合いが多く読みやすい。
続刊への布石も自然で、読後の余韻が心地よい。
よかった点
雛子が伊月に対して心を許し、外では絶対に見せない素の自分を見せるギャップがとても可愛らしかったです。
最初は異性としての意識もなく、まるで親子のように甘えていた彼女が、
伊月との時間を重ねるうちに、少しずつ自分の気持ちが何なのか戸惑い始める様子が丁寧に描かれていました。
完璧なお嬢様としての表と、等身大の少女としての裏――その対比が魅力的でした。
気になった点
終盤のイベント展開には少しモヤモヤしました。
大企業のトップという立場ながら、判断が短慮で一貫性に欠けるように感じられ、
一度決めたことをすぐに覆す行動にはやや違和感がありました。
物語上の都合とはいえ、もう少し説得力のある展開であればより納得できたと思います。
実際に読んで感じたこと
読んだのは少し前になりますが、改めて面白い作品だと感じました。
お嬢様を救いながら関係を深めていく――王道的な展開ではあるものの、やはりこの手の物語には安定した面白さがあります。
主人公の伊月は学習能力が高く、努力を惜しまない性格で好感が持てました。
ただし、やや無自覚な女たらしな一面もあり、今後登場するヒロインたちも次々と惹かれていきそうな予感があります。
まとめ
『才女のお世話①』は、“完璧なお嬢様”の裏に隠れた素顔と、それを支える主人公の誠実さが光る学園ラブコメです。
ギャップが魅力の雛子と、庶民ながらも真っすぐに向き合う伊月の関係は、王道ながら温かみがあり、読後には穏やかな満足感が残ります。
コメディ要素と癒しのバランスが良く、ラブコメ初心者でも安心して楽しめる作品。
今後、伊月とヒロインたちの関係がどのように変化していくのかにも注目したいシリーズです。
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