『俺は星間国家の悪徳領主! 2』感想|悪徳を目指すほど名君扱いされる勘違いSFコメディ

千代瀬

総合評価

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作品情報

タイトル:俺は星間国家の悪徳領主! ②
著者:三嶋与夢
イラスト:高峰ナダレ
出版社:オーバーラップ文庫

あらすじ

前世で善良すぎたがゆえに奪われ続けた人生を反省し、今世では「悪徳領主」を目指すリアム。
貴族としての教育の一環で、他家へ修行に出ることになった彼は、新たな環境で悪徳の道を歩もうと意気込んでいた。

しかし、リアムを不幸にしたい案内人の策略により、彼は本来とは違う扱いを受けることになる。
貧乏貴族向けの厳しく質素な対応を受けたリアムは、それを「賄賂が通じない清廉な貴族の証」と勘違い。
さらに、自分と同じ扱いを受ける貴族たちを“悪徳領主を目指す仲間”だと誤解し、同室の美少年クルトや、妙に距離感の近い美少女エイラと友情を深めていく。

本人はあくまで悪徳領主になるために行動しているつもりなのに、周囲からの評価はなぜかうなぎ上り。
勘違いが勘違いを呼び、リアムの名声だけが加速していく、星間国家勘違い領主譚・第2巻。

詳細評価(5段階)

主人公:
リアムは「悪徳領主」を目指して行動しているにもかかわらず、なすことすべてが良い方向に転がってしまい、「なぜこんなに評価が高いのか」と本人が困惑しているのがとにかく面白い。
2巻では貴族社会での修行編に入り、理不尽な扱いを受けながらも、本物の悪役らしく不快感を示す姿勢が、結果的に名君像へ近づいていくのが秀逸でした。
リアム自身の「悪役とは、立ち向かってくる敵には容赦しない存在」という価値観が、海賊という明確な“悪”に向けられることで、評価がどんどん上がっていく。
このズレが、物語の勘違い構造をより強固なものにしています。

ヒロイン:
2巻では、いわゆるヒロインらしいヒロインは登場しませんが、前巻からのキャラクターたちがリアムによく思われようとそれぞれ動く姿が印象的でした。
恋愛要素は控えめながらも、キャラ同士の関係性が自然に深まっていく流れが好印象。
無理にヒロインを前面に押し出さず、物語全体の流れに溶け込ませている点は、続刊として非常に安定しています。

シナリオ:
案内人の悪意による“扱いの入れ替え”という仕掛けが非常に分かりやすく、2巻の軸としてしっかり機能しています。
リアムの誤解、周囲の誤解、そして読者視点での理解という三層構造が成立しており、勘違いコメディとしての完成度はかなり高い。
修行編という舞台を活かしつつ、新キャラクターとの関係構築も丁寧で、物語のスケール感と広がりを感じさせます。
1巻よりも状況整理がしやすく、全体のテンポも確実に向上していました。

気楽さ:
勘違いを主軸にしたコメディ色が強く、シリアスに傾きすぎない点が読みやすさにつながっています。
貴族社会の理不尽さは描かれているものの、リアム自身の解釈が前向きなため、重苦しさはあまり感じません。
会話中心でテンポよく進み、肩の力を抜いて楽しめる続刊でした。
気軽に笑えるSFラブコメとして、安定感のある一冊です。

後味:
2巻として綺麗に一区切りがつきつつ、今後の人間関係やリアムの立場の変化が気になる終わり方。
リアムの評価がさらに上がってしまうオチも、このシリーズらしくて爽快です。
嫌な気持ちを引きずることがなく、素直に「続きが読みたい」と思わせてくれる後味でした。
勘違い系作品として理想的な締め方だと思います。

長さ:
修行編としてのエピソード量は十分で、物足りなさも冗長さも感じにくいバランス。
キャラクター紹介、世界観説明、コメディ展開がうまく噛み合い、スムーズに読み進められます。
1巻から続けて読むと、特にテンポの良さが際立つ構成。
続刊として満足度の高いボリューム感でした。

よかった点

1巻から変わらず、悪徳領主になるための行動がことごとく裏目に出てしまい、それを勘違いしたリアムがさらに勘違いを重ねていく構図が、本作ならではの面白さでした。
本人は真剣に悪徳を目指しているのに、周囲の評価だけがどんどん上がっていくズレが心地よく、読んでいて飽きが来ません。
同じ勘違い展開でも状況や立場が変わることで新鮮さが保たれており、続刊でも安定して楽しめるシリーズだと感じました。

気になった点

今巻では、キャラクター同士の距離感や描写の一部に、ややBL的なニュアンスを感じる場面があります。
物語の本筋に大きく影響するほどではありませんが、この手の要素が苦手な人は少し注意が必要かもしれません。
逆に気にならない人であれば問題なく読める程度なので、好みが分かれるポイントだと感じました。

実際に読んで感じたこと

2巻では舞台が修行編に移ったことで、リアムの勘違いがより分かりやすく、テンポよく楽しめました。
理不尽な扱いを受けているはずなのに、本人の解釈と行動によって周囲の評価が上がっていく流れは相変わらず爽快です。
キャラクター同士の関係性も深まり、勘違いコメディとしての完成度が一段階上がった印象。
シリーズの方向性がしっかり固まっており、安心して続きを読み進められる2巻だと感じました。

まとめ

悪徳領主を目指しているはずなのに、行動のすべてが善政として受け取られてしまうリアムの勘違いぶりが、今巻でも安定して面白い一冊でした。
修行編という舞台を活かしつつ、案内人の策略とリアムの思考のズレが噛み合い、シリーズらしい笑いと爽快感がしっかり味わえます。
大きな変化よりも積み重ねを重視した内容ですが、その分シリーズの方向性が明確になり、安心して読める続刊でした。
勘違い系コメディが好きな人なら、引き続き満足できる2巻だと思います。

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<前巻のレビュー>
俺は星間国家の悪徳領主! ①はこちら

<次巻のレビュー>
俺は星間国家の悪徳領主! ③はこちら

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